前編に引き続き、各社の新製品を試用&購入する機会の多いカメラマンに、2015年でもっとも高い評価を与えたデジタルカメラ3台を厳選してもらった。2015年に発売したデジカメ、もしくは2015年にカメラマンが購入したデジカメを対象とした。後編の今回は、鹿野貴司カメラマンと吉村 永カメラマンの2名のベストチョイスを紹介しよう。 今から購入しても数年は満足して使えるカメラはどれだ?

【鹿野カメラマン:第1位】シグマ「dp0 Quattro」

 なんといっても、2015年で一番印象に残ったのはこのカメラだ。dpシリーズそのものも登場時はインパクトがあり、2014年のランキングでは「dp2 Quattro」を第2位に推した。しかし1・2・3と出そろい、さすがにラインアップの拡充もひと段落したかと思いきや、意表を突いて0ときた。

シグマが2015年7月に発売した「dp0 Quattro」。Quattroシリーズでおなじみの個性的なスタイルのボディーに、35mm判換算で21mm相当の超広角レンズを搭載する。実売価格は9万円前後
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 0という数字には「1よりも広角」という意味とともに「ディストーション(歪曲収差)が1%未満」、つまり0%台というメッセージも込められている。僕がインパクトを感じたのは、何よりもこの画質の部分にある。カメラ側で電子的な補正はしていないにもかかわらず、21mm相当の超広角とは思えないほどゆがみがないのだ。切れ味も鋭く、Quattroセンサーの高解像力を存分に引き出してくれる。一方でその画角ゆえ、使いこなしも難しい。

 それらの特徴は、レンズ交換式の中判カメラ・ハッセルブラッドの中で、超広角レンズをあえて固定式にした名機・SWCシリーズを彷彿とさせる。ただし、SWCシリーズはファインダーがアバウト、ピントは目測、露出は完全マニュアルだったのに対し、dp0 Quattroは当然だがライブビューでAFもAEも搭載。スパルタンかつシビアなカメラでありながら、敷居はぐっと低い。オールラウンドに使いたいのであれば、28mm相当の「dp1 Quattro」か45mm相当の「dp2 Quattro」を薦めるが、チャレンジャーならば一度はこの“0”を手にしてほしいと思う。

描写力を見てもらうために最適な作例を選んでみた。ISO感度を1段上げてISO200としたため、その分ノイズは載っているが、解像力の高さにはただただ驚かされる。しかも、これで絞り開放なのだ(ISO200、1/50秒、F4)
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