アップルが無料で開催しているイベントでは、ボール型ロボットを使ったプログラミング体験講座が女子高生のハートをつかんだ (c) Kensuke Tomuro
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 昨今、児童や生徒など若年層のプログラミング熱が高まっている。2020年度から小学校でプログラミングが必修化されることを受け、就学前から参加できるプログラミング教室が続々とオープン。来るべきAI(人工知能)時代の就学や就職を見据え、プログラミングをかじっておこうと考える生徒も増えた。

 そのような若年層に対し、プログラミング体験の場を積極的に提供しているのがアップルだ。全国のアップルストアで実施している体験型イベント「Today at Apple」では、個人単位で参加できる子ども向けの「Kids Hour」や、学校などの団体を対象にした「フィールドトリップ」で、プログラミングを中心とした講座を定期的に開催。いずれも無料で参加できるので、早々に定員となることが多い。

 先日、東京都内の女子校に通う高校生が参加したフィールドトリップでは、ボール型ロボット「Sphero」(スフィロ)を使ったプログラミング体験を実施。リアルな物体をプログラミングで思い通りに動かす体験が、彼女たちを大いに夢中にさせていた。

キーボードを使わず、iPadのタッチ操作のみでプログラムを作成

 2017年12月、Apple表参道で開かれたフィールドトリップに参加したのは、東京都品川区にある香蘭女学校の生徒19名。ICTセンター長を務める甲斐雅也先生によると、同校は全生徒が1人1台のiPadを持っており、授業など日々の生活で活用しているという。

学校などの団体を対象にしたプログラミング体験イベント「フィールドトリップ」に参加した香蘭女学校の生徒。同校は早くからICT教育に取り組んでおり、学校生活で1人1台のiPadを利用している
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 今回のフィールドトリップで用いられたのは、10.5インチiPad Proとボール型ロボット「スフィロ」の最新モデル「Sphero SPRK+」(スフィロ スパーク、実売価格は1万6800円前後)。作成したプログラムでBluetoothで接続したスフィロを遠隔操作し、店内の床に設けられた迷路の入り口から中心まで到達させるのが目標とされた。

今回のプログラミング体験で用いられたのは、Macではなく10.5インチiPad Pro。Smart Keyboardは用いず、Apple Pencilが使われた。生徒の前にある球体のデバイスが、ボール型ロボット「Sphero SPRK+」(スフィロ スパーク)だ
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2人1組で2台のiPadを用いた。片方のiPadで表示した迷路を参考にしながら、もう片方のiPadでプログラムを作っていくという流れだ
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 スフィロの制御には、直感的なユーザーインターフェースでプログラムが作れるスフィロ専用アプリ「Sphero Edu」を用いた。ブロックをつなげるだけでプログラムが作成できるプログラミングツール「Scratch」(スクラッチ)に似た構成のツールで、スフィロを動かす方向や回転させる角度をブロック内に指定していくだけで制御できる。

スフィロを制御するアプリ「Sphero Edu」。ブロックをつなげていくだけでプログラムが組める仕組み。しっかり日本語化されている
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実行したい命令の種類を選び、値を決めるだけでプログラムが入力できる
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 画面内のキャラクターを動かしたりグラフィックスを変える標準状態のScratchと異なり、Sphero Eduは目の前にあるスフィロをiPad Proで自由自在に操れることが生徒たちを夢中にさせ、プログラミングに没頭させていた。スフィロの動きは意外と素早く、ボールの動きを見てプログラムを修正していくトライ&エラーの作業がテキパキとできることも、若い学生のハートをつかんでいたようだ。

フロアに作られた迷路にスフィロを置き、作ったプログラムでスフィロが想定した通りに動くかを試した (c) Kensuke Tomuro
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生徒たちは作ったプログラムを走らせ、スフィロの動きを踏まえてプログラムを修正するトライ&エラーでプログラムを磨き上げていった
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香蘭女学校でICTセンター長を務める甲斐雅也先生(左端)も参加した
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コミカルなスフィロの動きに一喜一憂しつつプログラムを仕上げていく生徒たち。随所で歓声が上がるなど、スフィロの存在が「プログラミングは楽しい」という意識にさせていた
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 今回のフィールドトリップで実施したスフィロと迷路を用いたプログラミングは、全国のアップルストアで開かれている子ども向けの体験イベント「Kids Hour」の「Spheroで迷路にチャレンジしよう」とほぼ同等の内容だ。iPhoneなどアップル製品の所有の有無にかかわらず、Webサイトから申し込めば誰でも無料で参加できるので、興味のある人はWebサイトをチェックしてみたい。

アップルストアでのプログラミング体験イベントは、学校などの団体でも個人でも無料で参加できる (c) Kensuke Tomuro
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(文/磯 修=日経トレンディネット)