AIで文字入力の効率を高めた日本語入力ソフト「ATOK」の新版が登場。日本語ワープロソフト「一太郎」も改良版を発表した
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 ジャストシステムは2017年12月5日、日本語入力システム「ATOK」の新版を発表した。新たに、人工知能(AI)を利用して人間の文字入力ミスを自動で修正する機能を追加したのが特徴。AIで変換精度を高める既存機能と合わせ、よりストレスのない文字入力を可能にした。

 販売方法も変更する。新たに月額286円のサブスクリプション制(月額課金制)を採用するATOK Passport版のみの販売とすることで、高価なパッケージソフトの購入を不要とし、導入のしやすさを高めた。新版の販売は2018年2月1日から。

 ATOKは、現行の2017年版でAI技術(ディープランニング)を用いた変換エンジン「ATOKディープコアエンジン」を採用し、文節区切りや同音語の選択を正しく判断し、誤変換を30%削減することに成功した。今回発表した2018年版では、入力ミスを軽減する「ATOKディープコレクト」を追加し、人間の文字入力ミスを修正できるようにした。入力の誤りだと思われる文字をAIが検出すると、瞬時にいろいろな文字に置き換えて適切な単語になるかどうかを判断し、ミスの可能性がなくなった単語に置き換えて入力する仕組み。入力ミスのうち35%ほどを修正できるという。

現行バージョンは誤変換を削減する「ATOKディープコアエンジン」を搭載しているが、2018年版では人間の文字入力ミスを自動修正する「ATOKディープコレクト」を追加。入力部と変換部の両方でミスを防げるようにした
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ATOKディープコレクトの修正例。「しょうらいは」と入力しようとして一部の文字を誤入力しても、あたかも正しく入力したかのように問題なく変換してくれる
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 従来のATOKは、店頭や通販サイトなどで購入できるパッケージソフト版と、月額料金(月額286円)を支払うことで利用する権利が得られるATOK Passport版の2種類を用意していたが、2018年版はATOK Passport版のみ提供する。契約の有無を確認するため、インターネットに接続した環境が必要となるが、インターネット経由でプログラムを常に最新版にアップデートできるようにする。Windows版、Mac版、Android版の3種類を用意し、1つの契約で合計10台までの機器に導入できる。iPhoneなどで利用できるiOS版は用意しない。

 買い切り制のパッケージソフトは、現行バージョン「ATOK 2017」を継続販売する(AIディープコレクトなど2018年版の新機能には対応しない)。

ATOK Passport版は、月額286円で10台までの機器に導入できる。WindowsとMacなど異なるデバイスにも導入できるので、両方を使っている人には便利だ
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 ユニークな新機能として「マンスリーレポート」も用意する。ひと月の間に入力した文字数や時間を表示するほか、タイプミスが発生した文字の傾向をヒートマップで表示でき、自分の文字入力を振り返れるようにする。

自分の入力状況が振り返れるマンスリーレポート。タイプミスが発生したキーの状況を表示するヒートマップ(左下)が面白い
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(文/磯 修=日経トレンディネット)