プロジェクションマッピングやインスタレーションを手がけるNAKEDと、クリエーターのエージェント業務を務めるコルク、エイベックス・エンタテインメントの3社は2017年11月、「マンガ マッピン!」プロジェクトを発表した。漫画×現代のアートで漫画の新しい表現、楽しみ方を提案することが狙いで、従来の「読む」だけでなく、「体感する」という点にこだわり、作品を公開していく。

 第1弾となる作品のテーマは「オノマトペ」。人物の心理状態や場の空気感を伝えるさまざまな擬態語や擬音語のことで、漫画において効果的な表現として頻繁に用いられる。

 マンガ マッピン!の作品では、通常は紙面や画面など平面上に表示されるオノマトペを、立体的な表現に置き換えた。体験者の「行動」がそのままオノマトペに変換されるのが特徴で、例えば会場にいる人が手をたたくと、たちまち「パン」という音とともに立体映像が壁にマッピングされるという具合だ。そのほかにも、足音に反応すると「カッカッ」と表示され、人がしゃべると「ガヤガヤ」、音がなくなれば「シー…ン」というように、そこにいる人や物の行動に反応して5種類のオノマトペが現れる。

 今回のプロジェクトについて、NAKED代表の村松亮太郎氏は、「漫画に登場するオノマトペは、文字でありながら絵の一部でもある。言葉が分からなくても雰囲気が読み取れるという点では、映像でありながら見るだけではないプロジェクションマッピングの魅力にも通じる」と話す。

 静寂を意味する「シーン」という表現は今では一般に広く普及しているが、これを漫画で初めて使ったのは手塚治虫氏といわれているほど、漫画の表現手法が社会に与える影響は大きい。マンガ マッピン!第1弾の作品は、東京・銀座のアートギャラリー「ベースメント銀座」で11月25日と26日の2日間限定で一般公開されたが、今後も漫画特有の表現を体感できる作品を発表していく予定。漫画表現の新しい魅力を再発見するきっかけになるだろう。

(文/角尾舞=ライター)

「マンガ マッピン!」の体験会場
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人が手をたたくと現れる「パンッ」。複数のマイクにより音源の位置を読み取っている
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静かだったり、誰もいなかったりする場合に現れる「シー…ン」の文字
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床にあるひび割れを踏むと、主人公の登場シーンのようなダイナミックな「ドン」が現れる
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今回のサウンド部分を担当した、エイベックスのクリエイティヴチームのSam is Ohm(サムイズオーム)氏(左)とNAKED代表の村松亮太郎氏
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