ドイツBosch社が自動運転車の公道試験を日本で開始した。日本メーカーの車両をベースに自動運転技術を搭載した試験車両を開発、2015年10月に高速道路で走り始めた。

 「日本は自動運転の開発を進めていく上で、重要な第3の拠点になる」――。こう語るのは、Bosch社Member of the board of managementのMarkus Heyn氏である。同社は2013年にドイツと米国で自動運転車の公道試験を開始している。

 ドイツではBMW社の「325dツーリング」を、米国ではTesla Motors社の電気自動車「ModelS」をそれぞれベース車両に用いている(図、関連記事1)。ドイツと米国に続く日本における公道試験でも、その国の車両をベースに選んだ。

図 Tesla Motors社の「ModelS」ベースの自動運転の試験車両
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2020年を見据えて技術を磨く

 詳細は明らかにしていないが、日本車ベースの試験車両を1台製作した。研究開発センターのある神奈川県横浜市と、試験場やテストコースを構える栃木県那須塩原市や北海道女満別町を拠点に、高速道路で自動運転技術を磨く。

 Heyn氏によると、公道試験を通して「日本の道路状況や交通条件に合わせて、自動運転システムを適切にカスタマイズできるようにする」という。日本では自動車メーカー各社が2020年ごろの高速道路での自動運転車の実用化を目指して開発を進めている。Bosch社もこうした動きに歩調を合わせて、「2020年までに我々の技術を使って高速道路上で自動運転を実現できるようにしたい」(Heyn氏)と意気込む。

 Bosch社と同じドイツの大手自動車部品メーカーであるContinental社も、日本での自動運転車の公道試験を加速させている。同社は2014年末に試験車両を日本に持ち込み、既に公道で8000km以上走行させた(関連記事2)。

 日本勢では、デンソーが2014年7月に、愛知県の高速道路で高度運転支援技術の公道試験を開始(関連記事3)。日立オートモティブシステムズも先進運転支援システム(ADAS)の公道試験を近く始める(関連記事4)。自動車メーカーだけでなく、部品メーカーを巻き込んだ自動運転車の開発競争が熱を帯びてきた。

(久米 秀尚=日経テクノロジーオンライン)