カシオ計算機が、G-SHOCKの世界観を生かしたデザインのアクションカム「G'z EYE GZE-1」を発売する。タフネス性能も優れており、アクションカムの勢力図が変わる可能性がある
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 腕時計「G-SHOCK」で知られるカシオ計算機が、“G-SHOCK版アクションカム”ともいえるコンパクトデジカメ「G'z EYE GZE-1」を2017年10月27日に発売する。最大50mの水中撮影や最大4mの耐衝撃性能、防塵防滴、耐寒機能など、各社のアクションカムと比べても優れたタフネス性能を盛り込んだのが特徴。本体も、G-SHOCKの世界観を生かした若者好みのデザインに仕上げた。

 世界的に認知度の高い“G”のブランド力と特徴的なデザインを前面に押し出し、好調なアクションカム市場に本腰を入れる。予想実売価格は4万6000円前後。

G-SHOCKの屈強なイメージに見合うタフネス性能、レンズは超広角

 「G'z EYE」のシリーズ名の通り、眼球のようなスタイルのGZE-1は、G-SHOCKの文字盤をイメージしたデザインに仕上げられている。衝撃を和らげる役目を持つ樹脂素材で外装を覆うことで、最大4mから落としても壊れない耐衝撃性能や、本体のままで最大50mの水中撮影が可能な防水性能を備えた。これらのタフネス性能はアクションカムとしては屈指のクオリティーで、防水ケースなど別売のアクセサリーをわざわざ用意せずに激しい撮影に臨める点は評価できる。本体は74.1(W)×75(H)×46.4(D)mmでアクションカムとしては多少大柄なのは気になるが、底面に三脚穴を搭載するなど、使い勝手を高める工夫を凝らしている。

本体上部に電源ボタンや撮影ボタン、撮影モード切り替えボタンなどを配置する。この部分にもG-SHOCKの世界観が生かされている
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底面には三脚穴を用意する。後述するスタンド付きカラビナも三脚穴に固定する仕組みだ
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背面のデザインもまさにG-SHOCK風。背面パネルを開けると、バッテリーやmicroUSBコネクターが顔を出す
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 G'z EYEの特徴といえるのが、大きく出っ張った魚眼レンズだ。35mm判換算の焦点距離は13mm相当と超広角で、GoProなどの競合機種を大きく上回るワイドぶりだ。画角は、静止画撮影時が190.8度と、180度を上回る(フルHD動画撮影時は170.4度)。このワイドさを生かし、通常のデジカメやスマホのように被写体を確認しながら構えて撮るのではなく、「ひたすら撮影していれば思いがけないシーンが写っている」という意外性やワクワク感のある撮り方を提案する。

レンズは、35mm判換算で13mm相当と超広角。保護カバーは半球状に大きくせり出している
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 GZE-1は単体で撮影が可能だが、液晶パネルを搭載していないので、写真や動画の再生は専用アプリを導入したスマホを用いる。別売の液晶付きコントローラー「GEC-10」(実売価格は1万6000円前後)は1.5mまでの防水性能や耐衝撃性能を備えており、こちらを用意すればマリンスポーツなどのアクティブなシーンでも使える。

写真や動画の再生は手持ちのスマホが使えるが、耐衝撃性能や防水性能を備える別売の液晶付きコントローラー「GEC-10」(左)も利用できる
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 別売のスタンド付きカラビナ「GEA-2」(実売価格は4000円前後)を使うことで、本体に角度を付けた状態で設置できる。床にカメラを置いた状態でダンスなどの自撮りをしたい際に便利に使えそうだ。胸に固定して自分目線の撮影ができるチェストマウントハーネス「GEA-1」(実売価格は7000円前後)も用意する。モーターを利用してぶれを軽減するジンバル「GEA-3」(実売価格は4万5000円前後)は、330mmから1045mmまで伸縮できるスティック「EAM-4」(実売価格は5000円前後)と組み合わせて使うこともできる。

別売のスタンド付きカラビナ「GEA-2」を使えば、GZE-1を自立させて撮影できる。スタンドの根元にカラビナが付いている
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角度は無段階で調整できる。ある程度斜めにしても倒れることはなかった
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カラビナを使えば、足元の悪い状況でも木の枝などに固定して自撮りできる
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体に固定して撮影者の目線で撮影できるチェストマウントハーネス「GEA-1」
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伸縮式のスティック「EAM-4」とジンバル「GEA-3」を組み合わせたところ
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 カシオ計算機がいわゆるアクションカムを投入するのは、実は初めてではない。2014年9月に発売した防水&耐衝撃デジカメ「EX-FR10」は、液晶部と分離できる構造を採用し、アクションカム的な使い方も可能にしていた。2016年9月には、180度の全天周撮影に対応した「EX-FR200」も投入したものの、アクションカム市場での存在感は希薄だった。

2014年9月に発売した「EX-FR10」
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全天周撮影に対応した「EX-FR200」。G'z EYE GZE-1のカメラ部はEX-FR200と基本的に同等だという
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「G」の名称を初めて採用したタフネスデジカメ「EXILIM EX-G1」(2010年1月発売)。画質の低さからヒットには至らず、1代限りのモデルとなった
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 今回投入したGZE-1は、G-SHOCK版アクションカムというべき魅力あるデザインと、アクションカム随一といえる防水&耐衝撃性能を兼ね備え、大きく進歩したと感じさせる。価格はやや高めだが、SNSで人の目を引く写真や動画を公開したいと考える若年層から注目を集めそうだ。

(文/磯 修=日経トレンディネット)