APS-C型の大型撮像素子を搭載した高画質モデル「PowerShot G1 X Mark III」。センサーサイズはPowerShot Gシリーズでは最大となるが、ボディーは小型軽量に抑えた
[画像のクリックで拡大表示]

 高級コンパクトデジカメに力を入れているキヤノンが、ラインアップをさらに強化する。2017年10月16日に発表した「PowerShot G1 X Mark III」は、扱いやすいサイズのボディーにAPS-C型の大型撮像素子を搭載した高画質モデル。主力のデジタル一眼レフと同等の画質や基本性能を持ちながら圧倒的に小型軽量であることを訴求し、スマホユーザーの獲得や古いデジタル一眼レフからの乗り換えを狙う。

 予想実売価格は13万円前後で、発売は11月下旬の予定。

撮像素子や画像処理エンジンは最新のデジタル一眼レフと同じ

 2014年3月に発売した「PowerShot G1 X Mark II」の後継モデル。本体デザインを扱いやすい一眼レフスタイルに変更したのに加え、1.5型だった撮像素子をひとまわり大きなAPS-C型に置き換えた。撮像素子や画像処理エンジンは、主力の最新デジタル一眼レフ「EOS Kiss X9i」や「EOS 9000D」、最新ミラーレス一眼「EOS M5」「EOS M6」などと同じものを採用し、画質を高めた。常用ISO感度は最高ISO25600。撮像素子はデュアルピクセルCMOS AFに対応しており、スムーズなピント合わせも可能にした。

EVF(電子ビューファインダー)を軍艦部に据えた一眼レフライクなデザインは、1型の撮像素子を搭載する一体型モデル「PowerShot G5 X」や、APS-Cミラーレス一眼「EOS M5」に似ている
[画像のクリックで拡大表示]
小型ながら、背面液晶はタッチ操作に対応したバリアングル液晶となる。EVFには、のぞいた際に表示が背面液晶から切り替わるアイセンサーも備える
[画像のクリックで拡大表示]

 レンズは、35mm判換算で24~72mm相当となる光学3倍ズーム。35mm判換算の焦点距離は、デジタル一眼レフのキットモデルに付属する標準ズームレンズと同等だが、開放F値はF2.8-5.6と広角側をひとまわり明るくした。室内や夜景など薄暗いシーンでも感度の上昇を抑えられるほか、より大きなボケ味も期待できる。電源オフ時にはレンズがボディーに格納され、奥行きが51.4mmに抑えられる。電源オフ時もサイズが変わらない一眼レフやミラーレス一眼にはないメリットといえる。

デュアルピクセルCMOS AFに対応した有効2420万画素のAPS-C型CMOSセンサーとDIGIC 7を搭載する。レンズは35mm判換算で24~72mm相当の光学3倍ズームとなる
[画像のクリックで拡大表示]
レンズが大きく張り出す一眼レフやミラーレス一眼とは異なり、電源オフ時に厚さが51.4mmにまで抑えられるのが魅力
[画像のクリックで拡大表示]
レンズ一体型のコンパクトデジカメなので、シャッターボタン周囲のズームレバーでズーム操作できるのが魅力。前面には電子ダイヤルを備える
[画像のクリックで拡大表示]

 特徴的なのが、ボディーを防塵防滴構造としたこと。高級コンパクトデジカメで防塵防滴構造に対応した製品は、キヤノンが2015年に発売した「PowerShot G3 X」ぐらいしかなく、一眼レフやミラーレス一眼でも一部の高価格モデルに限られる。Bluetoothでスマホと常時接続する機能も搭載し、電源をオフにしたカメラ内の写真をスマホに転送することも可能。

 同じAPS-C型の大型撮像素子を搭載しながら、「EOS Kiss X9i」などの一眼レフはもとより、「EOS M5」などのミラーレス一眼よりも小型軽量にまとまっている点が注目できる。特に、電源オフ時の可搬性に優れる点は、「高画質デジカメを日々持ち歩きたい」と考える層に響きそうだ。

本体はとてもコンパクトで、APS-C型センサーを搭載しているとは思えないほどだ
[画像のクリックで拡大表示]
PowerShot G1 X Mark III(中央)は、レンズ一体型のPowerShot Gシリーズでもっとも高画質なモデルとして注目を集めそうだ
[画像のクリックで拡大表示]

(文/磯 修=日経トレンディネット)