ソニーは2017年9月1日、高級コンパクトデジカメの新製品「Cyber-shot DSC-RX0」を発表した。1型の大型CMOSセンサーを搭載した高画質モデルながら、本体をマッチ箱サイズの小型軽量ボディーに抑えたのが特徴。本体のみで10mの防水性能を備えるほか、強い力がかかっても壊れない堅ろう性能も備えた。水中や砂ぼこりの舞う場所、カメラに力が加わる状況など、一般的なデジカメを使うのがためらわれるシーンでもカメラの破損を恐れることなく撮影できる。本体が小さく軽いので、さまざまな場所に手軽に固定したり埋め込めるメリットもある。

ソニーが発表した高級コンパクトデジカメ「Cyber-shot DSC-RX0」。ボディーはとてもコンパクトながら、RXシリーズで定評のある型の大型CMOSセンサーを搭載。ボディーは防水&耐衝撃構造となっている
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 撮影領域が広げられる高画質カメラとして、普段デジタル一眼や高級コンパクトデジカメを使っている写真ファンに売り込む。予想実売価格は8万円前後で、発売は10月27日の予定。

1型CMOS搭載でも驚くほどコンパクト、サイズはGoPro HERO5並み

 RX0の特徴の1つがボディーの小ささだ。本体サイズは59(W)×40.5(H)×29.8(D)mm、重量は約110g(メモリーカード、バッテリー含む)と、同じ1型センサーを搭載する高級コンパクトデジカメ「RX100」と比べてふた回り以上は小型軽量に仕上がっている。GoProの「HERO5」は62(W)×44.6(H)×32.7(D)mm、118.0gなので、サイズはほぼ同等といえる。

RX0の本体は金属製ボディーなので高級感も十分。サイズ的には、GoProの「HERO5」とほぼ同等だ
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1型センサーを搭載した高級コンパクトデジカメ「RX100」との比較。同じサイズのセンサーを搭載しながら、本体サイズはこれだけ違う
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本体の上部には電源ボタンとシャッターボタンを用意する。シャッターボタンは半押しでピント合わせが可能
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底面には三脚穴を備える
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背面には1.5型の液晶パネルを搭載。タッチパネルではなく、周囲のボタンで操作する。液晶の左にはmicroSDカードスロットやmicroUSB端子などを搭載する
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バッテリーは側面から出し入れできる
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 RX100にはない防水性と堅ろう性も備える。ボディー単体で水深10mの水中撮影ができるほか、2mからの落下や200kgの耐荷重にも耐える。オプションのハウジングを用いれば、最大100mの水中撮影も可能になる。

最大100mの水中撮影が可能になる「ハウジング」。フレームは金属製。希望小売価格は9万円
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すべてのボタンがハウジング越しに操作できる
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 撮像素子は1型の積層型CMOSセンサー(有効1530万画素)で、レンズは35mm判換算で24mm相当/F4.0の単焦点タイプとなる。手ぶれ補正機構は搭載せず、電子式の手ぶれ補正機能も持たない。シャッターは最高1/32000秒で、CMOS特有のゆがみを抑えるアンチディストーションシャッターを採用。感度はISO125~12800。連写は16コマ/秒と高速。

 RX0を水中に沈めてスマホからの操作で空に向けて撮影したり、長い一脚の先に取り付けて見下ろすような視点で撮影したりと、一般的なデジカメでは難しい撮影が手軽かつ高級コンパクトデジカメらしい高画質でできるのがメリットといえる。

 本体での動画撮影はフルHDにとどまる。だが、4K画質のデータをHDMI経由で出力する機能を持っており、HDMI経由で別売の外部レコーダーに接続すれば4K動画として記録できる。4K動画撮影は、レコーダーなどの機器がそろっている放送や映像制作などの用途が中心になるとみられる。

別売アクセサリーで用意する「ケージ」。金属製フレームの上下左右の4面に35コの三脚ネジ穴が空いているのが特徴。希望小売価格は2万5000円
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向きを問わず三脚などに取り付けられるほか、さまざまなアクセサリーを柔軟に固定できる
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RX0を装着したところ。耐衝撃性能もアップするとみられる
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30.5mm径のフィルターを取り付けるための「フィルターアダプターキット」。角形のフードも付属する。希望小売価格は1万5000円
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 ユニークなのが、複数のRX0を組み合わせた多視点での撮影ができること。スマホアプリを利用すると複数のRX0を一括して制御できるので、手元のスマホを使って同じタイミングで撮影できる。当初は最大5台までの制約があるが、ファームウエアの更新でより多くの台数が接続できるようになる。

複数のカメラを連携させ、多視点での撮影ができる。スマホ用アプリを利用することで、複数台のRX0をワイヤレスで制御できる
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 防水性能や耐衝撃性能を持つRX0は、GoProのようなアクションカムに分類されるカメラだと感じるかもしれない。だが、ソニーの担当者は「RX0は高級コンパクト『RXシリーズ』に属する派生モデル。アクションカムに必須の手ぶれ補正機構は持たないうえ、腕やヘルメット、自転車などに取り付けるためのアクセサリーも用意しておらず、アクションカムのような使い方は想定していない」と語る。

RX0はアクションカムではなく、高級コンパクトのRXシリーズのバリエーションモデルと位置づける
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(文/磯 修=日経トレンディネット)