LINEは2017年7月26日、料理の注文・宅配サービス「LINEデリマ」を開始すると発表した。同社は料理宅配サービス「出前館」を運営する夢の街創造委員会の株式の20%を保有しており、LINEデリマも出前館のサービスインフラを活用して提供する。

「LINEデリマ」サービス開始を発表するLINEの出沢社長(中央)ら
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 スマートフォン(スマホ)のLINEアプリにLINEデリマのメニューを設けた。店舗と料理を指定し注文すると、注文情報が出前館のシステム経由で店舗に引き渡され、店舗のスタッフが指定場所に料理を配送する。LINEはLINEデリマの注文実績に応じ、夢の街創造委員会が店舗から徴収している手数料の一部を受け取る。

 LINEは2014年11月から東京都内の一部地域で同様の料理宅配サービス「LINE WOW」を展開。高級店・有名店を中心に自社で加盟店を開拓したほか「WOWコンシェルジュ」と呼ぶ自社の配送スタッフにより配達インフラを構築し、これを活用して買い物代行サービスなども展開していたが、2015年11月でサービスを終了していた。

 LINEデリマのサービス開始発表会に登壇した出沢剛社長は、LINE WOWも手応えはあったとしつつ「LINEのサービスとして全国区で、さらには世界でサービスを展開するため(外部の料理宅配サービスとの提携へ)やり方を変えた」と説明。

 今回のLINEデリマの特徴について「スタンプによる集客やLINE Payによる支払い、LINEポイントの加算・充当ができるほか、全国で使ってもらえる。事前のテストサービスでは利用者に占める女性比率が72%と高く、新たな客層を開拓できる」と語り、再参入に自信を示した。

 料理宅配サービスを巡っては、LINE WOW終了後の2016年9月にUber Japanが東京都内の一部で「UberEATS」を開始。登録した一般市民が配達を担うという事業モデルで対応エリアを徐々に広げている。出沢社長はこうした競合他社との差異について「カバレッジとユーザー規模の大きさという点で強みがある」と語った。

 日本国内のLINEのアクティブユーザーは2017年6月末時点で7000万人に上り、LINEデリマによる注文が増加すると配達インフラがネックになる可能性もある。これについては、夢の街創造委員会が新聞販売店と協業して料理の配達を委託する「シェアリングデリバリー」という仕組みを始めており、将来的には各店舗による配達とシェアリングデリバリーを併用することを示唆している。

 シェアリングデリバリーの拡充計画については「現状では11カ所の新聞販売店と契約しており、1カ所当たり20~25店舗のレストランからの料理配達を委託している。十分な収益予測ができるエリアから順次(新聞販売店との)契約を進めており、早期に230カ所まで広げたい」(夢の街創造委員会の中村利江社長)としている。

(文/金子 寛人=日経コンピュータ)