エイスーステック・コンンピューター(ASUS)は2017年4月13日、GoogleのAR(拡張現実)とVR(仮想現実)の最新規格に対応したSIMロックフリースマートフォン「ZenFone AR」を発表した。GoogleのAR規格は「Tango」、VR規格は「Daydream」と呼ばれ、この両方に対応したスマートフォンは世界初となる。画面のサイズは5.7型。発売は今夏で、実売価格は8万2800円から。

GoogleのAR&VR両対応の5.7型SIMロックフリースマートフォン「ZenFone AR」。2モデルあり、実売価格は8GBメモリー・128GBストレージモデルが9万9800円、6GBメモリー・64GBストレージモデルが8万2800円
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5.7型有機ELディスプレーを搭載。明るく鮮やかだ。ボディカラーは黒のみ
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 Tangoに対応したアプリを使うと、内蔵カメラで映した画像の上に、別の情報を重ねて表示できる。例えば、部屋の画像に購入を考えている家具を表示して、見た目やサイズを購入前に確認できる。現実世界の画像の上にCGを重ねたゲームを遊ぶこともできる。

背面には、3つのカメラを組み合わせたTango対応カメラシステムを搭載する
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現実の映像に別の情報を重ねて表示できる。これは部屋を映して、そこに恐竜の3DCGを重ねて表示しているところ
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 Tangoに対応するため、背面には「ASUS TriCam System」と呼ばれるカメラシステムを搭載する。これは2300万画素のメーンカメラ、動きを把握するモーショントラッキングカメラ、対象物との距離や奥行きを測定する深度カメラの3つのカメラを組み合わせたものだ。

 Tango対応カメラシステムを搭載しつつ薄く軽いのが特徴で、重さは約170g、厚みは最大8.95㎜。同じ5.7型の「ZenFone 3 Deluxe」 (ZS570KL)が重さ172gで厚さが7.5mmなので、ほぼ同じ重さで若干厚くなっている。

本体は薄く軽い。背面は緩やかに湾曲していて手になじみやすい
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 「Daydream」の規格に対応したアプリとVRゴーグルを組み合わせることで、VRが簡単に楽しめる。Googleマップでこれまで行ったことのない場所をVRで楽しんだり、VRのゲームを遊んだりできる。

製品が入っている箱はそのままVRゴーグルになる。本体はハイレゾ対応で、付属のイヤホンもハイレゾに対応する
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 ZenFoneシリーズの最上位モデルであり、非常に高いスペックも魅力だ。ディスプレーは5.7型有機ELディスプレーで解像度は2560x1440ドット。プロセッサーは、Snapdragonの中でも上位のチップであるSnapdragon 821。メモリーは6GBまたは8GBで、8GB搭載するスマートフォンは世界初という。ストレージ容量は64GBまたは128GB。USBポートはUSB Type-Cだ。

 背面カメラは前述のとおり2300万画素で、光学式と電子式の両方の手ブレ補正機能を搭載。前面カメラは800万画素。バッテリー容量は3300mAhで、ARやVR機能を数時間利用できる。

 2枚のナノSIMカードを取り付け可能で、両方のSIMカードで同時に待ち受けできるDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応する。SIMカードスロットのうち1つはmicroSDカードスロットと兼用なので、nanoSIMカード2枚か、nanoSIMカード1枚+microSDカード1枚という構成で利用する。

 スマートフォンとしては非常にハイスペックで高価な製品だが、目玉機能であるTangoが、まだ対応アプリが少ないのが気になる。ZenFone ARは夏発売だが、それまでにさまざまな事業者と協力してアプリを増やすなど、Tangoを生かせる環境を整えられるかどうかがカギになりそうだ。

(文/湯浅英夫=IT・家電ジャーナリスト)

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