ロボット掃除機「ルンバ」や床ふきロボット「ブラーバ」で知られる米アイロボットが、日本法人「アイロボットジャパン」を設立した。ルンバのシェアが高く厳しい目を持つ顧客が多い日本市場に拠点を設けることで、世界中で受け入れられる製品の開発を進めるのが狙い。近い将来は、インターネットとの連携機能を備えたIoTロボット掃除機やIoT床ふきロボットを中心に、ユーザーが指示を出すことなく家中をきれいにするスマートホームの構築を目指す。

アイロボットジャパン社長に就任した挽野 元氏。「日々の生活で掃除に苦労している人は多い。ルンバの導入で、少しでも充実した時間を過ごしてもらえるようにしたい」と語る
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 2002年に初代ルンバを日本市場に投入して以来、ルンバシリーズは200万台以上を販売しており、国内のロボット掃除機のシェアは5割を超える高い水準を維持している。だが、世帯普及率はわずか4%前後にとどまっているそう。アイロボットジャパン社長の挽野 元氏は「日本ではルンバの認知度は高いものの、実際に購入して使ってみようというモチベーションの盛り上がりに欠ける。日本法人の開設を機に改革を進め、早期に世帯普及率10%を目指したい」と語る。

ロボット掃除機のカテゴリーにおいて、ルンバはワールドワイドで6割を超えるシェアを獲得している
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日本でのシェアは55%と過半数を占めるが、それでも世帯普及率は4%ほどにとどまるという
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 成長のカギとするのが顧客の声とイノベーションだ。これまでアイロボット製品の日本での販売代理店を務めてきたセールスオンデマンドは、顧客の声やニーズをリサーチすることに力を割いてきた。ルンバをガジェットではなく快適な生活を後押しするための製品として訴求することで子育て世代や共働き世代を中心に響き、お掃除ロボットの代名詞となるほど高いシェアを獲得するに至った。日本法人の設置で体制を強化し、顧客ニーズをとらえた製品開発を進めることで、普及率の拡大を狙う。ルンバの上位機種で提供している購入1年後の無料メンテナンスなど、セールスオンデマンドが提供していたアフターサービスは日本法人でも継承する。

日本での販売開始から15年を迎えるルンバの歴代モデル。2007年に登場した500シリーズ以降、普及に火がついた
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アイロボットが手がけてきた床ふきロボット。最新のブラーバジェットで大幅な小型化を果たした
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 技術面の改良も進める。現行のルンバも一部の上位機種がスマホとの連携機能を備えるが、将来はインターネットとの連携を盛り込む。自由に動けるお掃除ロボット自身が家の情報を収集して分析し、ルンバやブラーバが連携して家を自動的に清掃するといったスマートホームの実現を目指す。

スマートホームを実現する家庭用ロボットのナンバーワンメーカーを目指すという。お掃除ロボット以外にもさまざまなIoTロボットの登場に期待したい
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(文/磯 修=日経トレンディネット)