東京2020組織委員会は2018年2月28日、品川区立の小中一貫校で、東京2020大会(東京五輪・パラリンピック)の公式マスコットを選ぶ投票の結果を発表した。採用されたのは、市松模様をあしらいつつも先進性を感じさせるキャラクター。マスコットのデザイン案は、一般公募で集まった2042件の応募の中から、有識者によるマスコット審査会で最終候補作品3つに絞られ、その後、全国にある小学校など1万6769校が参加した投票によって決まった。決定したマスコットの得票数は10万9041票だった。

決定したマスコットの得票数は10万9041票だった
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今回決定したキャラクター
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 デザインを手がけたフリーキャラクターデザイナーの谷口亮氏は「リオ大会の閉会式で披露されたもの(2020年の東京大会のプレゼンテーション「Rio to Tokyo」)がヒントになり、近未来感と伝統が融合しているのが日本や東京のイメージではないかと考えた。キャラクターデザインに当たっては、日本の伝統の市松模様や桜のモチーフを使いつつ、デザイン的に強くなるようにシンプルに近未来感を表現した」と説明した。

デザインを手がけたフリーキャラクターデザイナーの谷口亮氏
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選考にはゲーム・マンガ・アニメ界の有識者が参加

 今回、キャラクターの最終選考は、史上初という小学生による投票で行われたが、それまでの選考過程では、動画などへの多面展開を意識し、海外から日本発のカルチャーとして注目されている“クールジャパン型”のキャラクター作りが重視されたと言える。

 最終候補の3案については、イラストだけでなく、3Dモデリング化されたCGがYouTubeの東京2020大会の公式チャンネルなどで公開された。マスコット審査会のメンバーにも、『妖怪ウォッチ』を大ヒットさせたレベルファイブの日野晃博社長、「週刊少年ジャンプ」の黄金時代に編集長を務めた白泉社の鳥嶋和彦社長、アニメーション製作の業界団体である日本動画協会の石川和子理事長など、日本のゲーム・マンガ・アニメ分野の第一線で活躍している面々が名を連ねている。

 東京2020組織委員会の古宮正章副事務総長は「アニメ、グッズ、等身大の着ぐるみなど、マスコットはさまざまな場面で活躍する予定」と話し、デザインを手がけた谷口氏も「アニメなどになったらうれしい」と期待を寄せた。レベルファイブの日野社長は記者会見で、「キャラクターはただの絵ではなく、しゃべって動いて人を勇気付けるもの。オリンピックという大きな舞台で、たくさんの人を元気にしてほしい」とコメントした。

 今後は組織委員会でネーミングを検討し、7~8月には東京2020大会マスコットとして正式発表される予定。その後、単なるイメージキャラクターとしてだけではなく、大会の魅力を伝えるナビゲーター役などとして、テレビやスマホを縦横無尽に動き回る姿を見られるようになるかもしれない。

(文/上原太郎)