キヤノンは2017年2月15日、デジタルカメラの新製品を発表した。デジタル一眼レフカメラの入門機の新製品「EOS Kiss X9i」「EOS 9000D」は、オートフォーカスや動画撮影などの性能を現行の中級機「EOS 80D」と同等にまで高めたのが目を引く。画像処理エンジンはEOS 80Dよりもひと世代新しいものをいち早く採用し、精細感や高感度性能は上回るレベルに仕上げた。入門機ながら中級機と同等の内容に仕上げることで、従来モデルからの買い替えや買い増しを狙う。

 ミラーレス一眼の高性能モデル「EOS M6」や、高級コンパクトの改良版「PowerShot G9 X Mark II」も発表し、デジタルカメラ市場の底上げを図る。

シリーズで初めてデュアルピクセルCMOS AFに対応した「EOS Kiss X9i」

 小型軽量ボディーのファミリー向けデジタル一眼レフ。撮像素子の変更で像面位相差AF「デュアルピクセルCMOS AF」に対応し、ライブビュー撮影や動画撮影でもスムーズにピントが合うようにした。このクラスのモデルは、一眼レフでも液晶モニターを見ながらライブビューで撮影する人が多く、撮影レスポンスの向上が期待できる。動画撮影はフルHDながらフレーム数を上げて60pに対応し、動きの速い被写体でもなめらかに撮れる。さらに、5軸の電子式手ぶれ補正機能「動画電子IS」を新たに搭載し、動画のぶれを大幅に抑えられるようにした。オートフォーカスの測距点は従来の19点から45点(全点クロスAF)に増やした。

 画像処理エンジンは最新のDIGIC 7に一新し、高感度撮影時のノイズを低減しつつ、常用感度を最高ISO25600にまで高めた(動画撮影時はISO12800まで)。低感度撮影時でも精細感の向上に加え、白飛びや黒つぶれを抑えた。

ファミリー向けモデル「EOS Kiss X9i」。AF性能や動画撮影性能をEOS 80D並みに高めつつ、DIGIC 7の採用で表現力や高感度性能はEOS 80Dを上回るレベルに仕上げた
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操作ボタン類の配置やタッチ対応のバリアングル液晶、ペンタミラーを用いた光学ファインダーなどは従来と同じ
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新しい標準ズームレンズ「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」を装着したところ。かなりコンパクトになった印象だ。EOS 9000D(詳細は後述)が採用するシャッターボタン後方の液晶パネルは従来通り搭載しない
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 実売価格は、ボディー単体モデルが9万円前後、ダブルズームキットが13万円前後、18-135 USMレンズキットが14万円前後。発売は4月上旬の予定。

 キットモデルに付属する標準ズームレンズは、小型化を図った新タイプ「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」に変更した。従来タイプ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」」と比べて全長は3.4mmほど縮小し、レンズ内手ぶれ補正機構の効果を4段分に高めた。画質は従来モデルと同等。

小型化を図った新しい標準ズームレンズ「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」。EOS Kiss X9iやEOS 9000Dのキットモデルに付属するほか、単品でも販売する(希望小売価格は3万6000円前後)
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中級機並みの操作性を持つ「EOS 9000D」

 操作性を高めた男性向けのデジタル一眼レフ。基本的な機能や従来モデルからの変更点はEOS Kiss X9iと同等。シャッターボタン後方の液晶表示パネルや、背面の大型サブ電子ダイヤル、AF-ONボタンを搭載するのがEOS Kiss X9iとの相違点。実売価格は、ボディー単体モデルが10万円前後、ダブルズームキットが14万円前後、18-135 USMレンズキットが15万円前後と、EOS Kiss X9iよりも1万円前後高い。発売は4月上旬の予定。

EOS Kiss X9iと同等の改良を加えた「EOS 9000D」
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シャッターボタンの後方に、撮影設定を表示するモノクロ液晶パネルを搭載するのが特徴
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背面では、大型のサブ電子ダイヤルとAF-ONボタンを搭載するのがEOS Kiss X9iとの違いとなる
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