ボディーの質感や操作性を重視したPENの高性能モデル「PEN-F」。2013年発売の「PEN E-P5」以来、久々の新型登場となる。円形のダイヤルを多用した外観は、クラシックな印象を強めている
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 オリンパスは2016年1月27日、マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼の新製品「OLYMPUS PEN-F」を発表した。PENシリーズでは初めてEVF(電子ビューファインダー)を内蔵したほか、本体をクラシックカメラのような印象のデザインに一新して高級感を高めた。味わいのあるモノクロ写真を手軽に撮影する機能も備え、従来機種からの買い替えや買い増しだけでなく、フィルム時代からの写真ファンの獲得を狙う。

 実売価格は、ボディー単体モデルが15万円前後、高画質の単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」が付属する12mm F2.0レンズキットが21万円前後。発売はいずれも2月26日の予定。

 新製品の特徴は以下の通り。

■真円を多用したクラシックカメラ風のデザインを採用

→フィルム一眼の「PEN F」をモチーフに、質感の高いデザインに仕上げた。各種ダイヤルやボタン、ファインダー窓など真円形のパーツを多用し、クラシックカメラ風の雰囲気を演出。ボディーの素材は、マグネシウム(前面カバー、上部カバー)とアルミニウム(本体底面、ダイヤル)を採用する。防塵防滴構造の採用は見送られた。

■236万ドットのEVF(電子ビューファインダー)を搭載

→PENシリーズでは初めてEVF(電子ビューファインダー)を内蔵。パネルは236万ドットの有機ELで、ファインダー窓は左隅に配置。ファインダーをのぞきながら背面液晶を触ることで、オートフォーカスの合焦ポイントを自由に設定できるAFターゲットパッドも搭載。

■撮像素子はオリンパス初の2000万画素超、5軸手ぶれ補正機構も内蔵

→オリンパスのミラーレス一眼では初めて2000万画素を超える有効2030万画素のLive MOSセンサーを採用(ローパスフィルターレス)。感度はISO200~25600で、感度拡張でISO80にも対応。ボディー内手ぶれ補正機構は5軸補正対応で、補正効果は約5段分。

■ハイレゾショットはJPEGで50M相当、RAWは80M相当に進化

→同一シーンを複数回撮影した写真を合成して精細な写真を得るハイレゾショットは画素数を向上。JPEG出力は50M(約5000万画素相当、8160×6120ドット)、RAW出力は80M(約8000万画素相当、10368×7776ドット)となる。

■フィルムを選ぶように表現を変えられる「モノクロ/カラープロファイルコントロール」

→往年のフィルムを基に作ったプリセットフィルターを選ぶだけで、背面液晶やファインダーで効果を確かめながら絵作りが楽しめる。特に、ハイライトやシャドー、粒状感を調整して古いモノクロフィルム風の味のある撮影が手軽にできるようにした。切り替えは、前面に新設したクリエイティブダイヤルを利用する。

■12mmの単焦点レンズが付属するキットモデルを用意

→高画質の単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」が付属。ボディー単体モデルとの実売価格の差は6万円前後。

PENシリーズの特徴的な軍艦部のラインを継承しつつ、全体は直線基調のシャープなラインに仕上げた。レンズマウントの左上にあるのがクリエイティブダイヤルだ
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背面の液晶モニターはバリアングル式を採用。裏面にはボディーと同じ張り革が施されており、モニターを裏返して隠すとフィルムカメラっぽい雰囲気になる
上部は真円形のダイヤル類で埋め尽くされている。左端の電源スイッチも円形のものを採用した。右端には露出補正ダイヤルを新設した
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底面は、レンズの光軸上に三脚穴を用意。本体を留めるネジ類が一切露出しておらず、見た目はとてもスマートだ
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ネジ類は側面にも見当たらない
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本体にグリップはないが、オプションで用意する金属製のグリップ「ECG-4」(希望小売価格は1万5000円)を装着すればホールド性を高められる
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ボディーカラーはシルバーに加えてブラックも用意する。レンズキットに付属するレンズのカラーは、両カラーともブラックとなる
EVFの光学系。周辺部まで色収差を抑えてクリアに見えるほか、マニュアルフォーカスのピント合わせもしやすいという
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 PEN-Fは、これまでのPENシリーズよりもコストと手間をかけて質感の高いボディーに仕上げつつ、集中して被写体を定めるのに不可欠なEVFを搭載。さらに、パソコンを使わずカメラ内で思い通りの表現の作品に仕上げる新機能を盛り込むなど、写真趣味層がじっくりと腰を据えて作品作りを楽しめるカメラに仕上げている。何より、ひと目見て「かっこいい」「欲しい」と思わせるデザインは、趣味の品として魅力的だ。もちろん、高画素の撮像素子や強力な手ぶれ補正機構、高精細表示のEVF、高速レスポンスなど、最新カメラにふさわしい撮影性能を備えている点も見逃せない。

 オリンパスは、1936年(昭和11年)に最初のカメラ「セミオリンパスI型」を発売して以来、今年でカメラ事業80周年となる。美しいスリムボディーで写真趣味層のハートをつかんだ初代「PEN E-P1」(2009年発売)並みのインパクトを持つ、記念イヤーにふさわしい注目モデルとなりそうだ。

(文/磯 修=日経トレンディネット)