ニコンDXフォーマットのフラッグシップ機として登場した「D500」。2009年8月登場の「D300S」の後継機といえるモデルで、実に6年半ぶりの一新となる
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 ニコンは2016年1月6日、デジタル一眼レフカメラの高性能モデル「D500」を発表した。APS-C型のCMOSセンサーを搭載した「DXフォーマット」のデジタル一眼レフでは最上位となる高性能モデル。

 同日に発表したフルサイズのフラッグシップ機「D5」と同等のオートフォーカス性能を備えたほか、高感度も最高ISO1640000(164万)の超高感度撮影に対応。連写速度を10コマ/秒に高めつつ、RAW撮影時でも200コマまで連続撮影できるようにした。Bluetooth経由でスマホやタブレットと常時接続し、撮影した写真を自動的に転送する新機能「SnapBridge」も備えた。野生動物や航空機、モータースポーツなどの撮影で望遠性能を重視するプロやハイアマチュアユーザーに売り込む。

 本体サイズは147(W)×115(H)×81(D)mm、重さは約860g(バッテリー、XQDメモリーカード含む)。予想実売価格は、ボディー単体モデルが24万円前後、標準ズームレンズ「AF-S DX Nikkor 16-80mm f/2.8-4E ED VR」が付属する16-80 VRレンズキットが31万5000円前後。発売は、いずれも3月の予定。

 D500のおもな特徴は以下の通り。

■「D5」と同じ153点のオートフォーカスを搭載

→D5と同じオートフォーカス用センサーを搭載し、フォーカスポイントを153点に拡大。暗いシーンやコントラストの低い被写体でもピントが合いやすくなった特徴も同等。

■RAW撮影時も10コマ/秒で200コマまで撮影可能

→バッファーメモリーの大容量化で連続撮影枚数を増やした。

■最高ISO164万の超高感度撮影に対応

→新開発となるAPS-C型CMOSセンサーと、D5と同じ画像処理エンジン「EXPEED 5」の組み合わせで、常用感度をISO51200、拡張時はISO1640000(164万)に引き上げた。撮像素子は有効2088万画素。

■Bluetoothでスマートデバイスと常時接続して連携する「SnapBridge」

→専用アプリを導入したスマホやタブレットとBluetooth low energyで常時接続することで、撮影した写真を自動的にスマートデバイスに転送したり、日時や位置情報をカメラに自動同期できる。D5にはなく、現在ではD500のみ利用できる。

■タッチ操作に対応した高精細表示のチルト液晶を搭載

→背面液晶は表示面を上下に動かせるチルト式を採用し、ライブビュー撮影や動画撮影で便利に使える。236万ドットの3.2型タッチパネル液晶はD5と同じで、大量の画像を素早く確認できる「フレームアドバンスバー」などに対応。

■4K UHD動画に対応、フルHD動画では電子式手ぶれ補正が利用可

→4K UHD(3840×2160ドット)の動画撮影に対応。フルHDやHD動画の撮影時に限り、上下と左右、回転の3方向のぶれを軽減する電子式手ぶれ補正機能が働く。

■SDメモリーカードとXQDメモリーカードのダブルスロットを採用

→各1スロットを搭載。コンパクトフラッシュは使えなくなった。

■内蔵ストロボは省略、ファインダー窓は丸型を採用

→ひとケタ型番のDシリーズと同等の仕様に。

■ボディーにはマグネシウム合金と炭素繊維の複合素材を採用

→ボディーの薄型化を図ってグリップ部を深くし、持ちやすさを向上。

同じDXフォーマットを採用する「D7200」よりもボディーはワイドで、全体的なフォルムはD300Sに近い。このクラスのモデルでは初めて、内蔵ストロボは省かれた
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丸型のファインダー窓とチルト式の液晶モニターが目を引く背面。モニターのドット数やタッチ操作に対応した点は、同日に発表したD5と同じだ。モニターの左下にファンクションボタンを備える
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情報量の多い大型の液晶パネルを搭載する。シャッターボタン周囲のボタン配置はD5と同じだ
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メモリーカードスロットとは逆の側面にコネクター類をまとめて配置する。Wi-Fiに加えてBluetoothのロゴが見える
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動画撮影機能が充実しているので、チルト式液晶の採用はありがたい。D5と同じ236万ドットの高精細タイプとなる
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メモリーカードスロットはSDメモリーカードとXQDメモリーカードのダブルスロットを採用。XQDの代わりにコンパクトフラッシュがサポートされなくなったのは賛否を呼びそうだ
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ボディー全体にシーリングが施され、防塵防滴構造となっている
35mm判換算の焦点距離はレンズ表記の約1.5倍となる。望遠ズームレンズ「AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR」を装着した場合の焦点距離は300~750mm相当となり、野鳥や航空機などの撮影を楽しみたい人にとってはD5などのフルサイズ機よりも魅力的だ
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オートフォーカスのユニットはD5と同じなので、DXフォーマットではフォーカスポイントが左右いっぱいにまで配置され、動きの激しい被写体もしっかり捕らえやすい
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 デジタル一眼レフはフルサイズ機の低価格化を受け、ハイアマチュアユーザーを中心にフルサイズ機への移行が進みつつある。だが、野鳥や航空機などの撮影で、フルサイズ機よりも小型軽量で機動性に優れ、望遠撮影や連写性能に優れるAPS-Cモデルを求める人は少なくない。ニコンは、2015年に高性能のAPS-Cモデル「D7200」を投入しているが、D500はオートフォーカス性能や高速連写性能、高感度性能、ボディーの堅ろう性で優れる。「ひとケタ型番のDシリーズと同等の使い勝手で扱えるDXフォーマット機」として、性能重視のユーザーに支持されそうだ。

(文/磯 修=日経トレンディネット)