ニコンがデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル「D5」を発表。高感度撮影やオートフォーカス性能など撮影性能を大きく高め、夏のオリンピックに向けてプロカメラマンの獲得を狙う
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 夏期オリンピックが開催される4年に1度のオリンピックイヤーは、現地で撮影を担当するプロカメラマンのニーズを狙い、カメラメーカーがデジタル一眼のフラッグシップモデルを投入するのが恒例となっている。リオデジャネイロオリンピックが開催される2016年、まずニコンがデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル「D5」を発表した。拡張時はISO3280000(328万)というこれまでにない超高感度での撮影に対応したほか、オートフォーカスも153点に強化するなど、2014年3月発売の「D4S」と比べても撮影性能を大幅に高めた。発売は2016年3月の予定で、予想実売価格は70万円前後。

 D5のおもな特徴は以下の通り。本体サイズは160(W)×158.5(H)×92(D)mm、重さは約1415g(コンパクトフラッシュ対応モデルの場合。バッテリー、コンパクトフラッシュ2枚含む)。

■高感度性能を向上、最高ISO328万の超高感度撮影に対応

→新開発となるフルサイズCMOSセンサーと画像処理エンジンの組み合わせで、常用感度をISO102400に引き上げたほか、拡張時はISO3280000(328万)というこれまでにない超高感度での撮影に対応。写真だけでなく、動画もこの感度での撮影に対応する。撮像素子の画素数は有効2082万画素。

■オートフォーカスは153点AFに改良、カバー範囲も拡大

→オートフォーカスのセンサーの改良でフォーカスポイントを153点に拡大し、カバーできる範囲を拡大した。中央のフォーカスポイントは-4EV(それ以外は-3EV)に対応し、暗いシーンやコントラストの低い被写体でもピントを合いやすくした。

■高速連写時のファインダーの見やすさを向上

→ミラーの駆動部分にステッピングモーターを搭載することで、像の消失時間を短縮してファインダー像が見えなくなる時間を短縮し、動きの変化が激しい被写体も追いかけやすくした。ミラーショックも抑え、連写時のばたつきを抑制した。連写速度は12コマ/秒(AF、AE追従時)となる。

■高精細のタッチパネル液晶を搭載

→背面液晶は236万ドットの3.2型液晶を採用。ニコンのデジタル一眼レフでは初めてタッチパネルを採用し、画面下部のバーをなぞることで大量の画像を素早く確認できる「フレームアドバンスバー」などに対応。

■メモリーカードは同種メディアのダブルスロット、ユニット変更も可能

→メモリーカードスロットの違いで、コンパクトフラッシュのダブルスロット(2枚挿し)、もしくはXQDメモリーカードのダブルスロットの2タイプを用意。同じメモリーカードを2枚同時に使いたい、というユーザーの声に応えた。購入後、有料で別のカードスロットへの交換も可能(メーカー修理対応となる)。

■4K UHD動画の撮影に対応

→4K UHD(3840×2160ドット)の動画撮影に対応(最大3分まで)。フルHDやHD動画も先鋭感を向上した。

縦位置グリップ一体型のスタイルは従来モデルと変わりないが、細部のデザインがブラッシュアップされて質感が増した。Wi-Fi機能は内蔵せず、オプションでの提供となる
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背面の液晶モニターはタッチパネル式となった。ジョイスティックは縦位置撮影にも対応できるよう2カ所に配置する
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上部には大型の液晶パネルを配置する。一部の操作ボタンは配置がD4Sから変わっている
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コネクター類の配置はD4Sと基本的に変わらない
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メモリーカードは、コンパクトフラッシュのダブルスロット(左)を搭載したモデルと、XQDメモリーカードのダブルスロット(右)を搭載したモデルの2種類を用意。実売価格は基本的に同等だ。購入後、有料でメモリーカードユニットの交換にも対応する
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背面の操作ボタン類は多くがバックライトを搭載しており、真っ暗な場所でも操作できる
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メカで大きく変わったのがミラーの駆動機構だ。ステッピングモーターを搭載することで、像の消失時間を最小限に抑えつつ、ミラーのばたつきも低減した
153点のフォーカスポイント。広い範囲をカバーする
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 高感度撮影は、ISO409600の超高感度に対応したソニーの「α7S」「α7S II」が現在プロやハイアマチュアから高い評価を得ている。D5は、その8倍も高感度のISO3280000に対応することで、これまで不可能だった撮影が写真と動画の両方で可能になる点が注目できる。デジタルカメラに新たな歴史を残す1台になるのは間違いないが、普及型のデジタル一眼やコンパクトデジカメにもD5の開発で培った高感度技術が生かされることを期待したい。

夏季オリンピックでは、望遠レンズを搭載したD5を使うカメラマンの姿が多く見受けられるだろう
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(文/磯 修=日経トレンディネット)