マツダは5月24日、フラッグシップモデル「アテンザ(セダン・ワゴン)」の大幅な商品改良を実施し、受注を開始した。6月21日の発売予定を前に、都内の「Q.E.D.CLUB」で行われた取材会でその深化と熟成について同社の開発担当者に伺った。

今回発表された「アテンザセダン(Sedan 25S L Package)」(左)と、「アテンザワゴン(Wagon 25S L Package)」(右)
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「マツダの開発哲学はつねに『人間中心』であること。人の特性や感性を徹底的に研究し、最新・最良の技術を惜しみなくクルマづくりへ活かしています。今回行ったフラッグシップ『アテンザ』の大幅改良では、車を愛するお客様が大切な人との時間を充実させ、豊かで活力に溢れた人生を過ごしていただくための性能を追求しました」と語るのは、同モデルの開発主査を務める脇家満(わきいえ・みつる)氏。

マツダのフラッグシップ「アテンザ」の商品改良を手がけた脇家満氏
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2002年に誕生した「アテンザ」は、3世代目となる現行型に至るまで常に進化し続けているが、4回目にして最大となる今回の商品改良について脇家氏は「キーポイントは3つ。1つ目が磨き上げてきた『圧倒的な美しさと力強さ』、2つ目が『革新と伝統の融合が作り出す質感』、そして3つ目が、余裕を持って運転できる走行性能『エフォートレスドライビング』」だと説明。これらの3点に注力することで、車の基本形であるセダン、ならびにワゴンの洗練にさらに磨きがかかったのだという。

圧倒的な美しさと力強さを誇るデザイン

フロントからリアへと躍動感を感じさせる造形を生み出した、チーフデザイナーの玉谷聡氏。ホイールだけでなくタイヤも専用に新設計された。(写真はSedan 25S L Package)
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エクステリアとインテリアのデザインコンセプトとなっているのが、「大人の落ち着き」を感じさせる「マチュアーエレガンス」だ。

ワゴンモデルのリアビューは、バンパー部をリファインすることでより精悍さを増した。(Wagon 25S L Package)
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チーフデザイナーの玉谷聡(たまたに・あきら)氏はエクステリアについて「グリルやバンパーなどのフロント周りを、立体的な広がりや低重心性を感じさせるデザインに変更。水平基調のリア周りと組み合わせることで、前後を貫く軸を意識させる風格ある美しさと、アテンザらしい躍動感をまとうことに成功しました」と説明する。

革新と伝統の融合が作り出すインテリアの質感

最新素材と日本伝統の素材を組み合わせた内装。(写真はSedan 25S L Package/内装色:ピュアホワイト)

インテリアにも大きく手が加えられた。インパネやドアトリムなどの形状を大幅に変更するだけでなく、表面素材にも高級素材を惜しみなく使用。ツヤと滑らかさを併せ持つエレガントな空間に仕上がった。

「デザインの表面的な美の奥にある、本質や必然性を第一に考えました。上級グレードには新素材の『ウルトラスエード ヌー』を量産車では世界で初めて採用し、和太鼓の素材でもある『栓(せん)』の木材を使った本杢パネルなど、日本の伝統美に通ずる本物の素材と色合いを取り入れました」(カラーデザイナー保坂美有氏)

エクステリア・インテリアの素材や色のコーディネートを担当した保坂美有氏(左)と、「ウルトラスエード ヌー」製のジャケットを着こなすチーフデザイナーの玉谷聡氏(右)

また、車との「人馬一体感」をより高めるため、ドライバーズシートは骨盤を安定させて自然な着座姿勢がとれる理想的な形状とし、マツダ車では初めて空気を循環させ蒸れを解消するシートベンチレーターが搭載された。