5年の一貫教育で多分野を双方向に横断

「グローバルな理工系分野では博士号は必須である」という理由から、カデットプログラムでは修士から博士課程まで5年間の一貫教育が行われる。

確固たる基礎学力に基づく高度な専門性はもちろん、複眼的思考力や俯瞰的視点も身につくカリキュラム構成
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「プログラム名にも冠される『インタラクティブ物質科学』には、関連する研究分野・領域が双方向で交流するという意味が込められていますが、履修生は修士課程1年目の夏にプログラムの特別科目として『研究室ローテーション』に参加。自分が所属している研究室を離れ、三ヶ月間他の研究室で非専門分野の研究を体験するわけです」(芦田教授)

研究室ローテーションの成果例として芦田教授は、「光学機器分野の学生が、研究室ローテーションで訪れた化学研究室で興味深い物質特性を発見したため、共同研究に発展。その他にも、研究から得られた成果が国際ジャーナルに論文発表された事例もあります」といった一例を上げる。

研究室ローテーションの様子。初めて取り組む測定や合成手法の経験が、異分野の専門家と対話する原動力となる

国内外の研修で異文化環境での
自立研究を推進する

大学内だけでなく国の研究機関や複数の企業も、カデットプログラムにおける履修生の教育に深く関わっている。「国内研修」では国の研究機関のほか、電機・自動車・化学・電子部品などの民間企業の研究室が履修生を積極的に受け入れ、三ヶ月の期間中には研究だけでなく、営業やマーケティングなど、大学では学ぶことができない実践的な経験を積むことができる。

国内の大手企業がカデットプログラムの研修先に選ばれている

また、「海外研修」では、単身で海外の大学などの教育研究機関に3カ月間滞在。異文化圏での研究手法の違いを体験することで研究者としての視野が広がると同時に、国際突破力も身につくという。「主な研修先は、ボルドー大学(フランス)やマックスプランク大学(ドイツ)、(カルフォルニア大学)米国、上海交通大学(中国)などの大学や研究機関が多い。宿泊の手配なども履修生自身で行うので、自立心や自主性が養われます」(芦田教授)

海外研修では最先端の研究ノウハウに触れるだけでなく、海外での研究生活そのものへの理解も深まる
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海外研修を経験した履修生からは、「国外で自分がマイノリティーになって初めて国際性の意味が理解できた」「自分の意見を主張し、相手を納得させる重要性を実感した」「日常のコミュニケーションの難しさを思い知った」といった感想が寄せられるなど、体験者の満足度は高いのだとか。

「研究室ローテーション・国内研修・海外研修の履修期間はそれぞれ三ヶ月。合計で九ヶ月もの間自分の専門分野を離れた世界を体験することで、複眼的な思考力や俯瞰的な視点、自立性、国際性などが身につくのです」(芦田教授)