アプリ開発のShowcase Gig(東京都港区)は2018年中にも、店舗向けに無人のセルフ注文端末「O:der Kiosk(オーダーキオスク)」を飲食店向けに発売する。多言語に対応し、複数の決済手段に対応しているのが特徴。無人レジの可能性を広げる新形態として、注目を集めそうだ。「ショッピングセンターのフードコートに設置すれば1カ所で全店の注文を受け付けることも可能になり、店舗ごとのオペレーション負荷を下げられる」とShowcase Gigの新田剛史社長は説明する。労働人口の減少で多くの企業が店員の確保に苦労する一方で、外国人観光客の増加によって高い接客スキルを求められるようになっている。Showcase Gigはこうした企業の課題に対してニーズがあると考えて端末を開発した。店舗のデジタル化が進む中国では、同様の仕組みの導入が爆発的に広がっている。

 O:der Kioskは利用者が画面の操作をして注文したい商品を選び、自分で決済をするセルフ注文端末。クレジットカード決済、「Suica」などの非接触ICカード、昨年から急速に広がるQRコードを利用したモバイル決済など、様々な決済手段に対応している。インバウンド需要にも応えるため、中国で利用が広がるモバイル決済サービス「Alipay」や「WeChat Pay」にも対応予定だ。画面表示の言語も、英語と中国語に対応する。

キャッシュレスのセルフ注文端末「O:der Kiosk」
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 画面の右下にクレジットカードリーダーを備えるほか、暗証番号を入力するキーボードの裏側には、非接触型ICカードのリーダーも組み込まれている。バーコードリーダーではQRコードのほか、通常のバーコードも読み込み可能。昨今広がる、アプリ化された会員カードのバーコードもこのリーダーで読み取れるため、会員システムと連携すればポイントの付与なども可能になる。

暗証番号を入力するキーボードの裏側には、非接触型ICカードのリーダーも組み込まれている
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 機能的には既存の券売機と似ているが、完全なキャッシュレスである点が最大の違いだ。国内ではまだまだ現金文化が根強い。Showcase Gigでも端末を開発する過程で、現金に対応するか議論が続いたという。キャッシュレス化の決め手となったのは、既存事業の成果だった。

 Showcase Gigはこれまで、飲食店向けに事前注文アプリ「O:der」を提供してきた。利用者はこのアプリから加盟店に事前に注文して、クレジットカードで決済をしておくことで、調理の完了時点でアプリに通知が届く。通知を受け取った後に、店舗を訪れれば、注文の行列ができる人気店でも待たずに商品を受け取れる。