日経トレンディネットで「佐野正弘の“日本的”ケータイ論」を連載中の佐野正弘氏。携帯電話・モバイル専門のライターとして、日々、通信業界、携帯電話業界の動向を取材しています。

 この記事では、佐野氏の連載から、アクセス数が多かった上位10本を抽出してみました。すると、2017年の携帯電話業界の動きが見えてきました。

1位

格安SIM絶好調の影で、急増するMVNOのトラブル

2位

NTTドコモの格安SIM並み「シンプルプラン」 狙いは家族

3位

ワイモバイル、UQが急拡大 高まる批判と再編の必要性

4位
PHSが終了 スマホや定額料金の土台作った20年

5位
ソフトバンクのMVNOになる日本通信 狙いはiPhone

6位
シャープの地味なスマートフォンが販売好調な理由

7位
フリーテル問題 MVNOが“縛り”に走る可能性

8位
海外でのスマホ利用で大手と差 MVNOの落とし穴

9位
姿を消しつつあるWindows 10スマホ MSの考えは?

10位
ワイモバイルでMVNOの先を行くソフトバンクの強み

 2017年も話題の中心はMVNO(仮想移動体通信事業者)でした。ただ、今年は、大手キャリアよりも安い通信コストを売りに勢力を伸ばしていたMVNOの勢いに陰りが見えた年でもあります。

 格安SIMを利用するユーザーのすそ野が広がったことで、トラブルが急増(1位)。MVNOへの顧客流出に危機感を抱いた大手キャリアの通信料金引き下げや、ワイモバイル(ソフトバンク)、UQモバイル(KDDI傘下のUQコミュニケーションズ)といった大手キャリアのサブブランドによる攻勢もあり、苦戦するMVNOが増えています(2位、3位、5位、7位、8位、10位)。

 12月には、「FREETEL」ブランドで独自のスマートフォンを製造・販売、MVNOとして通信事業も手掛けていたプラスワン・マーケティングが、民事再生法の適用を申請するに至りました。FREETELの通信事業は楽天が買収、継承することになりましたが、今後、MVNOには再編の波が押し寄せそうです。2018年も、MVNOおよび大手通信キャリアの動向からは目が離せません。

 一方で、一世を風靡しながらも、消えていく製品やサービスも話題を集めました。PHSの新規受付や機種変更が2018年3月でついに終了。「安い携帯電話」くらいの認識しかない人もいるかもしれませんが、定額料金制やスマートフォンなど、現在当たり前の通信サービスの土台はPHSでできたといえます(4位)。Windowsスマホも、iPhoneやAndroid端末に押され、姿を消してしまうかもしれません(9位)。

 このほか、地味にアクセスを集めたのがシャープのスマートフォン「AQUOS R」の話題(6位)。先日、東証1部上場への復帰を発表したシャープですが、スマートフォンも好調で、2018年度には欧州市場に再チャレンジする姿勢を見せています。

(文/平野亜矢=日経トレンディネット)