テレビはもはや「4Kテレビ」が当たり前だ。この4Kというのは、テレビの画面を構成する画素数が3840×2160画素など、長辺が約4000であることを指している。3840×2160画素なので約4K×2Kというわけだ。これまでの「フルHD」テレビのフルHDとは1920×1080画素のことで、画素の数は4Kの約1/4と少ない。4Kテレビは画素が多い分だけキメ細かな表示ができるということになる。

 そんなテレビの中でも最近目立ってきたのが、大型の有機ELパネルを使った製品だ。液晶パネルを使ったテレビ(液晶テレビ)よりも、コントラストがいい、発色がいい、残像感が気にならない、薄いといった特徴がある。

ソニー、パナソニック、東芝、LGなどが有機ELテレビを発売している。写真はパナソニックの65型有機ELテレビ「ビエラ TH-65EZ1000」
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 液晶パネルは、背後の光を発生する装置(バックライト)と前面のカラーフィルターの間に液晶があり、液晶をコントロールして光の遮り方を変えることでさまざまな色を表示する。常に光っているので完全に真っ黒な状態を作るのが難しく、また色にムラや濁りが出やすい。液晶の物理的な性質から残像が出やすく素早い映像は苦手で、バックライトがあるため全体的に厚くなる。

 有機ELは、画素一つひとつが自ら発光する「自発光」が特徴だ。そのため発光しないことで真っ黒な状態を作りやすく、コントラストの高い明暗のクッキリした映像が得られ、素早い映像にも向いている。また、構造がシンプルでバックライトを使わないため薄く作ることができ、消費電力も抑えやすい。難点は、製造が難しくコストがかかること。また明るさ(輝度)、階調表現、焼き付きの面でも液晶より不利とされている。有機ELを使った高画質で非常に薄いテレビが登場しているが、すべての面で液晶テレビを上回っているわけではないことに注意したい。現在のところ、高級テレビの一種として、高級液晶テレビと住み分けている状態だ。

 ちなみに現在の大型有機ELテレビで使われている有機ELパネルは、どれもLGディスプレイのパネルを使っている。しかし各社が画像処理エンジンによる差異化などを行っているため、製品によって画質は異なる。店頭で見比べてみると同じ有機ELパネルを使っているとは思えないぐらい違いがあり、そこが選ぶ際のひとつのポイントになっている。

(文/湯浅英夫)