主流はまだスマホVR

 一般に普及しつつあるのは、スマートフォンをヘッドセットに取り付けて楽しむ、モバイルVRまたはスマホVRタイプだ。スマートフォン向けのVRヘッドセットは無料に近いものから数千円と非常に安い。コントローラーがないのでゲームには不向きで、360度動画の視聴が中心になる。その場にいるかのような臨場感が楽しめる旅番組やバラエティー番組などを配信するサービス、アダルト向けの配信サービスなどが登場し、アーティストや企業のプロモーションビデオに360度動画を利用する例もある。今後もこの傾向が続いていくだろう。

Googleのスマートフォン向けVRヘッドセット「Daydream View」。コントローラーが付属する
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 この分野で注目は、Googleのスマホ向けVRプラットフォーム「Daydream」だ。Androidでクオリティーの高いVR体験を得られるというもので、頭を動かした際などに発生する描画の遅れ(レイテンシー)が短く、またコントローラーがあるのが特徴だ。対応するAndroidスマートフォンが必要で、すでにGoogleから対応ヘッドセット「Daydream View」が1万2000円(税込み)で発売されている。対応アプリには、CNNやウォールストリートジャーナルといった報道関係のものや、NBA.comといったスポーツ関連のものもある。こうしたゲーム以外のVRコンテンツにも注目が集まってくるだろう。

スタンドアロン型のヘッドセットが増える

 対応スマートフォンを使うDaydreamは、ハイエンドVRのようにPCと接続する必要がないので接続ケーブルがない。ケーブルのわずらわしさがないのは快適で、装着感の向上とともにVR向けヘッドセットにこれから求められていく要素だ。

 こうした他の機器と接続しないで使える、スタンドアロン型のヘッドセットが増えそうだ。注目は、オキュラスリフトを発売しているオキュラスが開発中の「Oculus Go」。スマホもパソコンも不要で単体で動作するVRヘッドセットで、スピーカーを内蔵しているのでヘッドホンも不要だ。高画質なスマホVRとして以前から普及している「Gear VR」と高い互換性があり、そのコンテンツを楽しめる。価格は199ドルと低価格で、2018年の早い時期に発売が予定されている。

オキュラスが開発中の「Oculus Go」
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 HTC Viveを開発しているHTCも、スマホやパソコンを使わないスタンドアロン型のVRヘッドセット「Vive Focus」を中国市場向けに発表。HTCはスマホVRやモバイルVRを開発するためのプラットフォーム「Vive Wave」を用意しており、これに対応した製品だ。こうした高画質かつ低価格のスタンドアロン型ヘッドセットがVR普及のカギを握るだろう。

(文/湯浅英夫)