欠けているのは「想像力」ではなく「取り上げる能力」

中島: たとえば「協調アーキテクチャ」がそう。

松原: 30年も前から、提案していましたよね。

中島: あの「協調アーキテクチャ」に関しては、アメリカよりも日本の研究の方が先行していたし、「サイバーアシスト」だって“日本発”だったんだけど、全然、取り上げてもらえなかった。

――どうして、取り上げられなかったのでしょうか?

中島: 日本人に想像力がないってよく言われるけれど、あれはウソで、日本人にも想像力はある。ただ、それを取り上げる能力がないだけだと思う。

松原: 日本で新しい技術や概念が生み出されても、いったんアメリカに行って戻ってこないと、取り上げてくれないですからね。

中島: 以前「協調アーキテクチャ」の開発を通産省に提案に行ったら「これ、アメリカでやってますか?」と尋ねられた。こっちも癪だから「アメリカがやってないとダメなんですか?」って聞いたら「ダメです」って(笑)。

――いわゆる前例主義ですね。

中島: 基本的に「アメリカでもやっているから、やりましょう」というのが安全なんです。自分の責任にならないから。「アメリカでやってないけれど、これは重要だと思うから、やりたい」と言ったら、失敗したときが怖い。そういう「責任をとりたくない」というマインドが、日本にはあるんじゃないかな。