日本のAI開発は圧倒的に遅れている

――いまAIの開発競争ではアメリカがトップを走っていますが、日本は追いつけるのでしょうか?

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中島: 原理的な話ですけど、日本としては、まずアメリカの後追いをやめないかぎり、追いつけない。数学で無限の概念について引用される「アキレスと亀」の話じゃないけど、追いかけているかぎりは、追いつけないと思います。

松原: そう。先行している亀のいた場所までアキレスが走ったとしても、そこに着いたときには、亀はさらにその先に行ってしまっているので、アキレスは永遠に亀に追いつけない。

中島: 日本政府は、つい、アメリカの後追いをやってしまう。たとえば、いまグーグルがディープラーニングでうまくいっているとなると、「じゃあ、みんなでディープラーニングをやりましょう!」というふうになってしまう。

松原: 実際、そうなっていますね。

中島: それをやっていたら、追いつけない。資金力は、グーグルの方が上だから。しかも、桁がちがう。アメリカは国防費を使えるから。たとえば、理化学研究所と企業がAIを産官学共同で開発するプロジェクトが発表されたけれど、2017年度予算の概算要求で文部科学省が関連経費として盛り込んだのは100億円規模、あとは、企業側が数億円規模で負担するらしいけど、グーグルは……。

松原: 数千億規模。1兆円とも言われている。

中島: 桁がちがうよね(笑)。

松原: しかも、2桁(笑)。

中島: だから、日本は、アメリカよりも少ない予算で「何ができるか」を考えるべきだと思う。

松原: いわゆるゲリラ戦をやるしかない。

中島: 私たちは、ずいぶん前から、そういうことをずっと提案し続けてきたつもりだった。

――どんな提案ですか?