11月2日、3日にベルサール東京日本橋を会場に開催された「TREND EXPO TOKYO 2017」。2日間合計で1万人を超える来場者を集めた。30社以上がブースを構えた地下2階の展示会場では、最新のトレンドを体感、体験しようと大勢のビジネスパーソンでにぎわった。ここでは、最新トレンドを展示した各社のブースをレポートする。

みんなのラズパイコンテスト2017~コンテスト受賞作品を展示

 ラズパイマガジンと日経Linux、日経ソフトウエアが主催するPCボード「Raspberry Pi」(通称:ラズパイ)を使った電子工作やアプリケーションのコンテスト「みんなのラズパイコンテスト2017」の受賞作品が発表された。グランプリや技術賞などの各賞がボードで紹介されたほか、2017年技術賞の「手のひらサイズ自動運転車」、2016年れいぴょん賞「ビットコインで支払いができるお菓子自販機」、2017年技術賞「ラズパイで実現したCTIシステム(オリジナルUPS付き)」、2016年準グランプリ「アイロンビーズ自動配置マシン『アイロンビーズセッター』」の4品が展示されている。

 「手のひらサイズ自動運転車」は、模型の車に搭載されたカメラで路面の白線を読み取り、白線から出ないように自動的に車を制御する。実物の車で行われている自動運転と同じようなシステムをラズパイとクラウド上の画像解析システムを使って行っている。

 「ビットコインで支払いができるお菓子自販機」はチロルチョコがビットコインで購入できるシステム。ボックスの右側のディスプレーに表示されるビットコイン支払い用のQRコードをスマートフォンで読み取ることで、自動的に決済を行い機械の中からチロルチョコが出てくる。ラズパイで自販機の制御と決済の両方ができる完成度の高い作品だ。

 「ラズパイで実現したCTIシステム」は着信した電話番号の情報を自動的に調べてPCに通知できるUPS付きのシステム。「アイロンビーズセッター」はPCで作ったアイロンビーズの下絵と同じ配列にビーズを自動的に組み上げてくれる。

「手のひらサイズ自動運転車」。白線をはみ出さないように自動制御されている
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ソニーセミコンダクタソリューションズ~ラズパイで制御できる小型カメラ

 ソニーグループのなかで半導体事業を担うソニーセミコンダクタソリューションズは、ラズベリーパイで制御できる2mmサイズの超小型カメラ「IU233」とArduinoベースのマイコンボード「SPRITZER」を展示していた。

 「IU233」は106万画素、1296×816ピクセルで最大60フレーム/秒が撮影できるカメラモジュール。1メガピクセルクラスのカメラモジュールとしては世界最小の製品だ。従来の同様の製品と比べて約10~60%の消費電力を低減しているのも特徴。USB用接続基板「USB-EVB」と組み合わせることでUSBカメラとしてすぐに利用できる。展示では、プラレールに搭載し車載カメラとしてデモンストレーションが行われた。

 「SPRITZER」は、8チャンネルのデジタルマイクと4チャンネルのアナログマイク、ステレオスピーカーを接続できるDACを備えており、ハイレゾ音源の再生にも対応する音楽分野に強いボードだ。GPSの機能も搭載している。展示では照度センサと組み合わせ、明るくなるとボリュームが上がる音楽プレーヤーのデモンストレーションが行われていた。

「IU233」をプラレールの車載カメラとして活用するデモ
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デンソー~熱流センサーの活用法を展示、車載部品の開発を視野に

 車関連のエレクトロニクスに強いデンソーは、ラズパイなどで制御できる熱流センサー「Energy Eye」を出品。温度はもちろん、2次元方向に熱の流れを感知できるセンサーとなっており、これまでよりも検知精度を高めたという。

 ほかにもEnergy Eyeは、曲面でも使用可能なフレキシブル性や熱の流れを阻害しない低熱抵抗性、耐圧性などを備えてるのが特徴。今のところ計測機器用途だが、将来的にはこの技術を利用した車用の部品開発を視野に入れているという。

 展示では、Energy Eyeとラズパイを組み合わせた温度ロガーのほか、みんなのラズパイコンテスト2017で本製品を使用し「Energy Eye」賞を受賞した「乾ぺき!つぶやく服」を展示。この作品は、服が乾いたことを知らせる機器で、濡れている服が乾くときに生じる気化熱により、周囲よりも温度が下がる仕組みを利用し、その流れをEnergy Eyeで検出して熱の流れが無くなると服が乾いたと判断している。

デンソーのブースでは、Energy Eyeとラズベリーパイを組み合わせた機器などが注目されていた
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グレープシティ~ラズパイを含むクロスプラットフォームの開発環境

 グレープシティは、ラズパイをはじめiOSやWindows、Webのアプリを制作できる統合開発環境「Xojo」を展示。ユーザーの操作に応じたイベントドリブン型の開発環境だ。アプリを制作し、実行ファイルにする手前までは無料で使用できるため、体験版として使い勝手や機能を確認することもできる。ライセンス価格はビルドするプラットフォームにより異なっており、ラズベリーパイのみならば8000円で利用が可能となっている。

 ブースでは実機を使ったデモンストレーションやラズベリーパイのボードを制御するサンプルなどが展示されていた。

(文/湯浅英夫、シバタススム)

統合開発環境「Xojo」
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