代官山蔦屋書店1号館の1階の人文コーナーを一番奥まで進むと、大きな一枚板が6枚置かれている異空間が現れる。樹齢100年以上の野生の木でできたTAICHIROの一枚板だ。

このTAICHIROの一枚板フェアは2018年2月20日まで開催
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  なぜ、書店に一枚板が売られているのだろうか。

  「2017年に『「奈良の木」のある暮らし ~森からの贈り物~』フェアを開催したときに木に無限の可能性を感じ、ほかの木も探していたところで出合ったのがTAICHIRO。ここで扱っているのは、植林されたものではなく、野生の木ばかり。この素晴らしい木をぜひ紹介したいと思った。一枚板はこのままポンッと置いたほうがインパクトがあるので、そのまま展示した」(代官山蔦屋書店・湯澤洋介さん)。

 展示している一枚板は小さなもので10万円台から、最も大きなものは樹齢1000年以上の屋久栂(やくつが)で250万円とかなり高額だ。しかし、「購入者は40~50代のほか、ミレニアル世代の20~30代の割合も高く、一人暮らしの若者も買っていく」と、TAICHIROブランドを展開するWONDERWOODの坂口祐貴CEO。「自分も含めたミレニアル世代は大量生産・大量消費時代に生まれ育ってきているので、高くても本当に価値のあるものを買いたいと思っている。一枚板は樹齢と同じ年数使えるといわれており、それがミレニアル世代にハマっている。クルマの代わりにローンで購入する感覚」(同)という。

長さ125mmの小ぶりのテーブルも(15万8000円)
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  一生ものの買い物になるため、テーブルにするために脚を付けたり、修理したりといった作業はTAICHIROが行う。ダイニングテーブルやリビングテーブルにすることが多いが、「一枚板はサイズも形も世界に1つしかない」(坂口CEO)ので、脚も既成のものは作っておらず、職人に1つずつ作ってもらう。

  最近は一枚板を扱っているところも増えているというが、「日本で出回っている一枚板の多くは外国産のもの。そのため、どこに行っても似たり寄ったりになってしまう。以前、アフリカに1年間住んでいたことがあるが、太陽がずっと照りつけているので、木はすぐに太くなる。日本には四季があり、湿気や寒暖差など過酷な環境を何百年もくぐり抜けてきたので、木の密度や一つひとつの個性がまったく違う」(坂口CEO)。

最も大きなものは樹齢1000年以上の屋久栂(やくつが)で250万円(写真右)
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手ごろな商品として7500円のまな板も用意
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(文/吉田理栄子)