古くから日本有数の米どころとして知られる宮城県は、米の歴史を作ってきた。1963年、宮城県古川農業試験場にて「ササニシキ」が誕生。コシヒカリとともに日本を代表する米として、一時代を築いた。1981年には、同じく宮城県古川農業試験場にて「ひとめぼれ」が完成。粘り、ツヤ、うまみ、香りのトータルバランスが良いと評判を呼び、全国にファンをもつ人気米になった。現在も県内の作付面積75%を占める主力品種になっている。

 順調に見える宮城県の米事情だが、「近年は危機感が強まっていた」と、宮城県農林水産部農産園芸環境課技術副参事の薄木茂樹氏は話す。「ゆめぴりか(北海道)、青天の霹靂(青森)、新之助(新潟)など、全国の産地が相次いで高価格米を投入してきました。このように競争が激化している状況にあって、宮城県産米の存在感が弱まりつつあると感じていました」(薄木氏)。

 実際、宮城県が首都圏の消費者に「米の産地イメージ」を調査したところ、コシヒカリについては約80%の人が「新潟県」と回答。一方、「ひとめぼれ」は、「特定の産地イメージなし」と答えた人が約40%と最も多く、「宮城県」と回答した人は約15%にとどまった。「ひとめぼれ」の名を知ってはいても、宮城県の米であるという認識は低いのだ。

「ササニシキ」や「ひとめぼれ」を生んだ米どころとして知られる宮城県。近年、他県から新ブランド米が相次いで登場していることもあり、県産米のブランド力の低下に「危機感があった」(宮城県農林水産部農産園芸環境課の薄木茂樹氏)という
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宮城県古川農業試験場で開発された新品種「だて正夢」。2017年にプレデビュー、2018年に本格デビューを果たす
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