東京ゲームショウ2017の一般公開日1日目にあたる9月23日、コーエーテクモゲームスブース内メインステージでは、「コーエーテクモ コスプレコンテスト in TGS2017 ステージ/生中継」が開催された。昨年こそ開催されなかったものの、実はコスプレコンテストは、同社ブースで恒例となっているイベント。2年ぶり6回目となる今回は、多数の応募者のなかから7名の候補者が選出され、グランプリの座を競った。
同社ブース内の投票箱などを使った一般投票では1位が10点、2位が7点、3位が5点、ニコニコ生放送での同時中継ではコメント数がもっとも多かった候補者が10点を獲得。加えて審査員が10点満点で採点を行い、これらのスコアを集計する。それによって、コーエーテクモ賞、審査員特別賞、グランプリの3人を選出する、というのが今回のレギュレーションだ。
MCの野口菜菜さんの紹介で登壇したのは、審査員長を務めるコーエーテクモゲームスの鯉沼久史社長。なんと鯉沼社長も自身がプロデューサーを務める来年発売予定の『進撃の巨人2』にちなみ、自由の翼を背負う調査兵団のコスプレ姿でステージへと現れた。
続いて、審査員を務めるコスプレモードアドバイザーのジャッキー道斎さん、声優の小野坂昌也さんが登場。いよいよ1人目のコスプレイヤーが紹介されるのかと思いきや、野口さんによって告げられた名前は、なんとイラストレーターの岸田メルさん。シークレットゲストとして岸田さんも審査員に加わったのだ。
しかしその岸田さん、来場者を何より驚かせていたのが、そのコスチューム。自身がキャラクターデザインおよび監修を務めたPlayStation 4&PlayStation Vita用ゲームソフト『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』の白井日菜子と同じデザインのセーラー服を身にまとっていた。
なんでもこの衣装はゲームの販促用としてモデルさん向けに作った際に、自分用のサイズでもう1着作ってもらったのだという。スカートも自身のデザインに合わせてデジタルプリントで特注した生地だそうで、その再現度は非常に高い。しかし、背後のスクリーンに映し出された日菜子とのあまりのギャップに、審査員も場内も大爆笑。ご本人曰く、「自分のキャラクターを自分で汚していくスタイル」なのだそうだ。こうして審査員4人がそろったところで、コンテストは幕を開けた。
審査員と候補者の会話で細部のこだわりが明らかに
アベルさん(大谷吉継/『戦国無双』シリーズ)、天津いちはさん(レイファン/『DEAD OR ALIVE』シリーズ)、そうきさん(武蔵坊弁慶/『遙かなる時空の中で3』)、ぴんpanさん(初穂/『討鬼伝2』)、ゆらさん(王元姫/『真・三國無双』シリーズ)、初音雪華さん(女天狗/『DEAD OR ALIVE』シリーズ)、スミヤさん(井伊直虎/『戦国無双』シリーズ)という順で、見事なコスプレ姿を披露していく7人の候補者たち。
例えば、刺繍の上に塗料で手描きのラインを描いたり、あるいは自ら染め粉を使ってグラデーションを描くように染めたり。現実に甦らせたゲーム中のキャラクターになりきるため、候補者たちがどれだけ細部にまで魂を込めているのか。一見しただけでは分からないような部分にまで及ぶさまざまな工夫が、審査員4人の質問やコメントで明かされるたびに、会場からは感嘆の声が上がった。
今回の審査では、前述のように会場内での投票や、ニコ生でリアルタイムに寄せられたコメント数もスコアに換算されるというのがユニーク。しばしの時間を経て集計された結果にって、コーエーテクモ賞はスミヤさん、審査員特別賞は天津いちはさん、グランプリはゆらさんに決まった。受賞者たちには、会場内から大きな称賛の拍手が送られた。
今回は残念ながら3賞の受賞を逃したものの、多数の応募者のなかから厳選された7人だけあって、候補者たちのコスプレはどれも見事。次のページからは、そのすばらしい完成度を、当サイトの人気記事ランキングの上位を独占する志田彩香カメラマンの写真でぜひ堪能してほしい。
各候補者のコスプレをじっくり紹介!
●アベルさん
大谷吉継/『戦国無双』シリーズ
白地に金の模様を貼り合わせたうえに手描きで塗料を載せて立体感を出すなど、その細部にまで繊細なこだわりが審査員から絶賛されていた。
●天津いちはさん【審査員特別賞】
レイファン/『DEAD OR ALIVE』シリーズ
明るい笑顔と原作の雰囲気そのままなきわどい衣装で審査員と来場者の熱視線を浴びていた。八重歯にも義歯を被せてあるなど細かい工夫も。
●そうきさん
武蔵坊弁慶/『遙かなる時空の中で3』
頭巾から連なる外套の立体的な裁断と、原作の雰囲気を忠実に模し、軽やかにたなびく布地の選択の見事さが審査員から高評価を得ていた。
●ぴんpanさん
初穂/『討鬼伝2』
髪を飾る烏の細工の細かさや、再現度の高い武器が注目を浴びていた。眉毛も全剃りでこのコンテストに挑んでいるという。
●ゆらさん【グランプリ】
王元姫/『真・三國無双』シリーズ
繊細な刺繍が奢られたブーツや、自らグラデーションに染めた青い生地に薄衣を重ねた上衣など、細部まで行き渡る手間と見事な工夫が絶賛されていた。
●初音雪華さん
女天狗/『DEAD OR ALIVE』シリーズ
何軒もの布屋を回って入手したという濃紅の生地、また、デジタルプリントによってバラの模様が散りばめられた腰回りの生地など、その素材選択も見事。
●スミヤさん【コーエーテクモ賞】
井伊直虎/『戦国無双』シリーズ
審査員は衣装として原作のイメージを再現したうえで甲胄らしさも同時に出すという『戦国無双』キャラクターの困難さを指摘。果敢に挑戦している点が好評だった。
(文/稲垣宗彦、写真/志田彩香)