若い女性を中心に動画配信サービス「C CHANNEL」が人気を集めたり、有名ミュージシャンがプロモーションビデオを縦型で制作したり、縦型アニメ専門の動画配信サイトが登場したりと、ネット上には徐々に“縦型”動画が増えてきた。縦型のほうがスマートフォンの画面でより手軽に見られるためだ。このようなコンテンツの変化を受け、広告を出す企業も縦型に関心を持ち始めている。

「【特集】縦型動画はスマホ時代の主流になるか」ラインアップ
「女子はスマホを持ち替えない だから動画は縦型になる~先駆者C Channelの選択」
・「Facebookもインスタも 広告動画は“縦型”にシフト」(本記事)

 サイバーエージェントの一部門で、アドテクノロジー(ネット広告の配信・運用関連技術)を活用した広告サービスを開発しているアドテクスタジオは2017年4月、部門内に縦型動画の専門チームを新設した。テレビコマーシャル(CM)用の素材など、広告主が持つ横型の動画を縦型に編集する。2016年9月から同社が提供している縦型動画広告のビジネスに本腰を入れるためだ。

 サイバーエージェントアドテク本部LODEOカンパニーの加藤徹氏は、「縦型動画広告を始めて1年たっていないし、季節要因もあるので一概には言えない」と前置きしつつも、「毎月の受注額は順調に伸びている」と話す。広告業界では通常、1~3月期が最も受注額が大きくなるが、今年の4~6月期の伸びはその1~3月と比較しても130%。「今後もそのくらいのペースで伸びていくだろう」(加藤氏)。

縦型のほうが購入意欲が10ポイント高い

 これまで縦型動画広告で扱った商材は、化粧品、トイレタリー系商材、食品など多岐にわたるが、いずれも従来の横型広告よりも高い効果を得られたという。例えば、トイレタリー系商材の場合、縦型の動画広告を見た人は横型の動画広告を見た人に比べ、商品の機能の理解度や購入意向が10ポイント高かった。

縦型動画のほうが横型動画よりも広告効果が高いという調査結果も出た(サイバーエージェント提供の資料を基に、編集部で作成)
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 効果が高い要因は、やはり動画の大きさだ。「テレビコマーシャルを何十分の1に縮小したような従来の横型動画では、ペットボトル飲料だと分かっても商品名までは印象に残らなかったりする。その点、縦型動画は商品を大きく表示できるので、細部や質感まで伝わりやすい」と加藤氏。記者もデモムービーを見てみたが、ペットボトル飲料のパッケージが視認しやすかったり、化粧品やシャンプーの広告でよく見るような、女性の肌や髪の質感が実感しやすかったりした。「飲料や商品など、縦長の商品は意外に多く、縦型動画と相性がいい」(加藤氏)ともいえる。

従来の横型動画広告の例。クリックすると再生する。スマホを縦向きに持った状態では映像自体が小さくなってしまう(素材提供/サイバーエージェント)
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縦型動画広告の例。クリックすると再生する。画面全体に大きく表示できるので迫力があり、質感が伝わりやすい(素材提供/サイバーエージェント)
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■変更履歴
公開時、サイバーエージェント担当者のお名前を誤っておりました。正しくは、サイバーエージェントアドテク本部LODEOカンパニーの加藤徹氏です。お詫びして訂正します。該当箇所は修正済みです。[2017/8/9 13:15]