スマートフォンで見る動画コンテンツや動画広告に“縦型”の波が来ている。縦型のスマホの画面には、横長の動画を流すより縦長の動画を流した方が大きく見えて効果的。迫力も上回るという。他社に先駆けて縦型専門の動画配信サービスを運営してきたC Channelに、縦型動画の最新事情を取材した。

 C Channelが社名と同じ「C CHANNEL」という名前の動画サービスを開始したのは2015年4月。同社CCO(Chief Content Officer)の三枝孝臣氏によると、「C CHANNELは、F1層(20~34歳の女性)に向けて、スマホに特化した新しい映像コミュニケーションプラットフォームをつくろうとした」という。

 現在は、国内だけでユーザー数は約960万、再生数は月間1億6000万回に成長。中国、台湾、タイ、韓国など、アジア各国でも動画を配信している。ユーザーの18~24歳が30%、25~34歳が41%と、前述のF1層に圧倒的な強さを誇る。

C CHANNELのアプリ版トップページ。F1層向けの情報コンテンツが並ぶ
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 C CHANNELは、サービス開始当初から動画を縦型で統一しているのが特徴だ。C CHANNELへのアクセスは92%がスマートフォン。三枝氏は、「若い女性がスマホを横向きに持って使うことはほとんどないのでは」と話す。実際、動画制作会社モバーシャルが2016年8月に実施した調査では、女性の約4割がスマホの動画を縦向きのみで視聴するという結果が出ている(モバーシャル『第3回スマートフォンの動画視聴実態調査』)。同調査には20~50代の女性が含まれるが、若い女性に限れば、比率がさらに高まると考えられる。

 とはいえ、C CHANNELも、サービスの企画当初から縦型動画に決めていたわけではないという。一般に、縦型動画の普及のきっかけは、縦型動画を共有できるSNS「スナップチャット」の人気や、FacebookやYouTubeなどが縦型動画の投稿に対応したことといわれるが、C CHANNELの開始当時、日本では縦型動画はまだ一般的ではなかった。同社としても、プロトタイプの段階では従来通りの横型の動画を制作していたという。

C Channelの三枝孝臣CCO
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 だが、「試しに縦型で撮ってみたら、縦型のほうが被写体への親近感や没入感がずっと大きかった」と三枝氏。スマホの場合、アプリにしろ、ゲームにしろ、画面を縦にして使うように設計されていることが多い。縦型ならばスマホを持ち替える必要もなく、スムーズに動画を視聴できる。「いっそのこと、縦で行こうと決めたのは、当時は大きな決断だった」と三枝氏は振り返る。

 また、縦型動画を配信するサービスはなかったが、一般ユーザーの間では、既に土壌ができていたのでは、と三枝氏は指摘する。それというのも、三枝氏がC ChannelのCCOに就く前、テレビ局で番組制作をしていたころから、バラエティー番組や情報番組の読者投稿動画には、携帯電話やスマホで撮影した縦型動画があったという。「とっさに撮影するときは、動画も縦の方が撮りやすいのだろう」(三枝氏)。

 自分で撮影する動画が縦型になり、その後、その動画をスナップチャットやFacebookなどのSNSで共有できるようになるにつれ、若い世代を中心に縦型動画は一般化していったと考えられる。

■変更履歴
記事公開当初、企業名、サービス名とも「C Channel」と表記していましたが、サービス名は「C CHANNEL」でした。お詫びして訂正します。該当箇所は修正済みです。[2017/8/2 8:40]