本連載は、「この人の『勘』や『感』の見方を知りたい!」と思った方にお会いし、仕事に「勘」や「感」は必要なのか。そして、どのように磨けばいいのかについて、成功談も失敗談も含めてお聞きしていくものです。それも、難しい書き言葉ではなく、分かりやすい話し言葉で。読者の皆さんにとって、未来に向けたヒントになれば幸いです。

 今回は、マッシュホールディングス社長の近藤広幸さんにお話を伺いました。同社は、「スナイデル(snidel)」「ジェラート ピケ(gelato pique)」といったファッション分野をはじめ、「コスメキッチン(Cosme Kitchen)」 などのビューティー分野、「コスメキッチン アダプテーション(Cosme Kitchen Adaptation)」をはじめとするフード分野と、幅広い領域でブランド展開を手がけている企業です。1998年の創業から約20年――ここまでの企業にした近藤さんは、どのように「勘」と「感」を働かせ、磨いてきたのか、聞いてみました。

「スナイデル(snidel)」
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「ジェラート ピケ(gelato pique)」
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あえて隙間ないスケジュールにしている理由は?

川島: 今日はお時間を取ってくださり、ありがとうございます。これだけ幅広い分野のブランドを手がけていて、社長である近藤さんは毎日、ものすごくお忙しいのでは?

近藤: この6年くらいは、自分のスケジュールに隙間がない状態をあえて作っているのです。

川島: なぜですか?

近藤: いくつもの会議が続いても、それぞれの会議で、最初にこれを話して、半ばでこれを言って、参加メンバーみんなで考えて、最後はこの結論に持っていく。そういう設計図を考えることを、「瞑想」の中でやってきたのです。隙間のないスケジュールは、その時間を効率化する鍛錬を、自分でやってみようと考えてのことです。

川島: スケジュールに隙間がなければ、「瞑想」する時間がないのではと思っちゃいますが。

近藤: 鍛えていくと、昔は10分必要だったことが10秒でできるようになる。打ち合わせの最中でも、「瞑想」の時間を作ってクリエーティブな発想を生み出せるようになるのです。そうすると、打ち合わせの合間の「瞑想」は必要がなくなってくるのです。スケジュールに隙間をなくしているのは、そういう訓練を自分に課する意図からです。

川島: ええっ、そんな瞬時の「瞑想」で、打ち合わせの設計図を作れちゃうんですね。近藤さん、ものすごくストイックです(笑)。

近藤: そんなことないですよ。

川島: でも近藤さんはおしゃれだし、話もスマートで完璧に見えちゃいます。今の「瞑想」のお話も、何だかスーパーマンみたい!

近藤: いや、決してラクなことじゃないし、自分ではまだまだと思っているのです。