定住旅行家をライフワークとしている私は、現地の家庭生活にどっぷりと入り込んで、彼らの暮らしや生き方を体験、発信している。前回のコラム(若者の間で習得ブーム ジョージアで韓国語学習が人気なワケ)でも紹介した、旧グルジアの「ジョージア」。最近は、感度の高い主婦の間でジョージアワインの話題になったりするのを聞くと、日本でもじわじわとその知名度を上げているのではないかと感じている。

 家庭に滞在することのメリットは、安全の確保、密なコミュニケーションから得られる真の情報など挙げればキリがないが、その中でも、現地の家庭料理を堪能できるのは、大きな体験の一つである。また、食生活から見えてくる国民性というのは、その国を理解する上で鍵となることも事実である。

 シルクロードの交差点として栄えたジョージアは、多種多様な食のアイデアや香辛料が行き交い、洗練されていった場所とも言える。ジョージア料理は、アジア、中東、ギリシャにつながる食物系譜に属しており、様々な国の影響を少しずつ受けながらも、独自の伝統の中で食文化を育んできた。それに加え、肥沃な土壌や温暖な気候は、彼らの食生活を豊かにしている。ジョージアは、元気なセンテナリアン(100歳以上)が多い長寿国として知られているが、その元気の源は彼らの食生活にあると言われている。

 ロシアに住んでいるとき、ジョージア料理はとても人気のある食べ物で、行く度にレストランは満席だった記憶がある。今回のジョージア滞在で、家庭料理を1カ月半の間毎日食べていたが、どの国にも似ておらず、飽きることのない料理で、さらには自分の食生活や食事の取り方まで見直してしまった。

長寿が多いと言われるコーカサス山脈のスバネティ地方で暮らすお年寄り
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定住先の従姉妹のおばあちゃん。86歳
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 ジョージアの首都トビリシでは、近年、様々な国の料理店が続々とオープンしている。食に関しても好奇心旺盛な若者たちの間で、休日や仕事終わりに違った国のレストランやカフェ巡りをするのがはやっているのだという。ジョージア人に給料を何に使っているのか尋ねたところ、多くの人は、食費とレストラン代だと答える。景気はお世辞にもよくないというのに、レストランはいつもお客さんで溢れ、にぎわっている。ジョージア人にとっての食事は、ただ美味しいものを食べる楽しい社交場以上の意味合いがありそうだ。