旧グルジア、シルクロードの交差地点であった、大コーカサス山脈の南、黒海とカスピ海に挟まれた地域の西側に位置するジョージア。現地の家庭に滞在しながら、生活を体験する“定住旅行家”の私は、この夏ジョージアに1カ月半滞在した。

 緩やかな経済成長を続けるこの国は、最近政府がブロックチェーンを導入したことで話題になった。世界銀行の「IFC Doing Business2012」のレポートによると、最もビジネスしやすい国のランキングで183カ国のうち7位にランクしている。すでに多くの中国や韓国の企業の進出が目立ち、今後はエネルギー、インフラ、農業、不動産、農業などへの投資が期待できると言われている。

 ジョージア全体の人口は300万人と決して多くはないが、首都のトビリシは100万人の大きな都市であり、にぎやかで活発なトビリシの町を見ていると、日本企業がほとんど進出していないのが不思議なほどだ。

100万人が暮らす、ジョージアの首都トビリシ
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 アクティブな勢いを感じるのは町だけではない。ジョージアは人口の約30%が30歳以下と若者の比率が高い。そんなこれから国を担っていく若者の間でブームになっていることがあるという。それが、“語学習得”だ。最近になって、多くの若者の間で多言語を習う人が増えているという。

 かつて旧ソ連の一部だったジョージアでは(1991年独立)、昔の教育の影響で40歳より上の世代は大体ロシア語を話すことができる。しかし、若い世代はロシア語よりも英語を得意とし、ロシア語を解す若者は少ない。しかし、ジョージアではロシア語は非常に美しい言語と認知されているため、言語として根強い人気を誇っている。

 さて、若者の間でトレンドになっている“言語習得”であるが、その背景には、2つのことが挙げられるのではないかと思う。1つは、2014年にEUと自由貿易協定(FTA)が結ばれたことだ。この締結により、EU圏へのビザがフリーになり、より多くの若者たちが旅へ出かけるようになっている。またジョージアの第2の都市クタイシからは、ヨーロッパへの格安のフライトが多く就航し、海外へ渡航するハードルは以前より確実に下がっている。

 そしてもうひとつは、韓国や中国などの外国企業のジョージア進出である。雇用の少ないジョージアにおいて、海外の企業が進出してくれば、雇用のチャンスが生まれやすくなる。そのためには、就職に有利となる外国語に興味を持つ若者が増えているということだ。