世界各地で現地の家庭生活に入り込み、その国の文化や人の暮らしを伝える活動をライフワークとし、それを”定住旅行”と名付けて旅している私。これまで40カ国、約70家族との多種多様な暮らしを体験してきた。今年は真冬のシベリアに始まり、中米のホンジュラスに滞在した。そして、この夏は、イタリアとジョージアで定住旅行予定だが、一足先に、同じヨーロッパ圏にあるドイツを訪れている。

 ヨーロッパの経済の中心地、ドイツ。この国の人たちは、日常的にアウトドアを楽しんだり、体を動かしたりすることに積極的である。もちろん日本人にもそういったことが好きな人はたくさんいるが、ドイツではそれが生活の一部に取り入れられている。彼らと生活の話をしていると、「先週末は川沿いをサイクリングした」とか「森の中で過ごした」など、必ずスポーツやアウトドアの話題が出てきて、自然と近い環境で体を動かすことが趣味として当たり前のようだ。

 特に晴れた日は、トレッキングやサイクリング、キャンピングカーを使って、好きな場所へ行き、日光浴をしながら自然を満喫するのも一般的だ。それは、若い人もお年寄りも変わらない。そんなドイツで、今ブームになっているのが、ボルダリングである。

 ドイツ山岳協会の調査によれば、現在ドイツ国内には、約400以上ものクライミングジムがあり、ドイツ第3の都市ミュンヘンには、世界一の規模のクライミングジムとボルダリングジムが存在している。大きさはボルダリングジムで1300平方メートルもある。

 日本でも人気が出ているボルダリング。最近、テレビや街角でボルダリングを目にする機会が圧倒的に増えたように思う。2020年のオリンピックに新しい競技として加わったことも記憶に新しい。しかし、なんとなく壁を登るスポーツというイメージはあっても一体どんなスポーツなのか把握している人は少ないように思う。

 ボルダリングの語源、boulderとは、大きな石という意味を持つ。もともと、ボルダリングは、「ロッククライミング」のカテゴリーに分類される、自分の手足だけを使って登る「フリークライミング」というものの一種である。なので、元はといえば、クライミングをする人が、トレーニングパートの一つとして行っていたものであるが、現在はそれが独り歩きして、ボルダリングだけをやる人が増えてきているのである。

自分が登るルートを確認する筆者
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