炊飯器、2段式ポットはイラン家庭の必需家電

 さて、イランのスーパーへ行くと、商品の種類の豊富さに驚く。スパイス売り場には絵の具のパレットかと思うほどカラフルで多種類のスパイスが陳列され、さまざまな匂いが入り混じっている。私が見ても何をどう使うのかさっぱり想像もつかないが、イラン人の主婦は誰もが、どの料理にどのスパイスが使われるのか把握しているのだという。家庭にはサフラン、ターメリック、ソマック、シナモンなどが頻繁に使用するスパイスをはじめ、その他ローズウォーターや乾燥バラなどが常備され、毎日の料理などに使われている。

 スパイスの使われ方は、日本人が醤油や七味、柚子胡椒を料理に合わせて微妙なバランスで加えたりする感じと似ており、個人の好みによっても使い方が微妙に違う。スパイスの味を把握してくると、この料理や食べ物にはこのスパイスが合いそうかも?というように、舌がスパイスを求めるようになるから不思議である。

イランの家庭キッチンには、ざまざまな種類のスパイスや豆類が常備されている
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 イラン人の主食は、お米とパン。パンは主に3種類あり、イラン人はスーパーではなくパン店で焼きたてを買うのを好む。お米はイラン北部で採れる縦長のパサパサとしたもの。どの家にも必ず炊飯器があり、おこげがつくようにごま油やオリーブオイルを少しだけ混ぜて炊く。おこげはご飯の一番美味しい部分で、子どもが何人かいると奪い合いになるほどだ。私も今となっては、おこげがないご飯はなんだか物足りない気分になるようになってしまった。

 イランの大手スーパー「Hypermarket」で、一番人気のある炊飯器を聞いてみた。それは、“パールスハザール”と呼ばれるブランドで、圧倒的な人気らしい。またドイツ製のものも人気があるという。

量販店で一番人気の炊飯器、「パールスハザール」
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主食はおこげがついたご飯。パリパリしていて香ばしい
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 また、イラン人が1日何杯も飲む飲み物といえば、紅茶。食前、食後、休憩時間など、何かと紅茶が出てくる。イランの人たちは、紅茶を飲むとき必ず砂糖やスイーツなどの甘いものを一緒に食べる習慣がある。角砂糖を紅茶に入れるのではなく、頬張りながら紅茶を飲む。家庭のテーブルには、常に数種類のドライフルーツやピスタチオが置かれており、いつでもお茶のお供が準備されている。

その家庭のリビングにも置いてある、ドライフルーツ。中でもイラン産のデーツは美味
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 そんな紅茶好きのイランの家庭には、2段式のポットがある。初めて見たとき、なんと画期的なんだろうと思った。下の段でお湯が沸かせ、上の段で紅茶を温められるようになっている優れものだ。日本でも販売したら売れそうな気がするほど便利。そして紅茶には、カルダモンや乾燥ローズなどを入れて飲む。

2段式になったポット。下のポットでお湯を沸かすことで、上の段の紅茶も温めることができる
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