受賞者(正式名):株式会社オフィスサービス開発部(チーム)

 技術賞の二つめは、「ラズパイで実現したCTIシステム(オリジナルUPS付き)」です(図1)。主にコールセンターで利用されるシステムです。問い合わせ窓口の電話番号に着信があると、発信者番号をキーにして発信者情報のデータベースを検索します。見つかった顧客名などの発信者情報を、CTIクライアントソフトを通じてオペレーターの端末に表示します。

図1 「ラズパイで実現したCTIシステム(オリジナルUPS付き)」
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 CTIシステムを構築するには、少なくとも2個の独立したネットワークインタフェースが必要です。今回、有線LANと無線LANの二つのネットワークインタフェースを備えた最上位モデルの「Raspberry Pi 3」を採用しました。

 有線LANポートは電話用LANに接続し、顧客がかけてきた電話番号を取得するのに利用します(図2)。無線LANはデータ用LANに接続し、データベースサーバーから発信者情報を取得したり、取得した発信者情報をオペレーターに送信したりするのに使います。

図2 システム構成
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約40秒間、給電可能な独自UPS

 万が一の停電に備え、小型の無停電電源装置(UPS)を独自開発しました。25F/3Vの電気2重層キャパシター(以下キャパシター)を2個直列で使用し、電源を短時間だけ安定供給します(図3)。

図3 ラズパイの上に組み込んだ独自開発のUPS基板
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 ACアダプターからの電源供給とキャパシターからの電源供給の切り替えには、米Linear Technology社の半導体チップ「LTC3118」を実装したデュアル入力のDC-DC昇圧モジュール(ストロベリー・リナックス社製)を使っています。

 切り替え動作は20ミリ秒以内で、ラズパイが停止することはありません。切り替え後は約40秒間、5V/0.5Aの電源を供給でき、余裕をもってラズパイをシャットダウンさせられます。

 停電の検知には、LTC3118が備えている各電源入力のPowerGood出力を利用しています。LTC3118のPowerGood出力をラズパイのGPIOポートに接続します。ラズパイ側では同ポートをPythonスクリプトで監視し、停電を検知したらシャットダウンを実行する仕組みです。

 シャットダウンが完了したことが目視で確認できるように、ラズパイの緑色LEDをハートビート動作に変更しました。今回の用途では約16秒でシャットダウンが完了します。

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