「鉄道好き」で知られるホリプロのマネジャー・南田裕介氏。当連載では南田氏の手ほどきをうけながら、アナウンサーの安田美香氏が鉄道のいろはについて学んでいく。第一回は鉄道好きミュージシャン・向谷実氏のインタビューと、向谷氏が手がけたイベント「超鉄道」をレポートする。

 鉄道初心者である私、安田美香のため、南田氏が勧めてくれたのが「ニコニコ超会議2018」内のイベント「向谷実Produce!超鉄道」。キーボード奏者の向谷実氏がプロデュースしているということですが……南田さん、向谷さんて、ミュージシャンですよね?

 「そうだよ。趣味の鉄道をビジネスに結びつけて、今では音楽と鉄道の両輪で活躍されているスゴい方だよ! ……ってまさか、安田さん、鉄道界における向谷さんのスゴさを知らないの?」

 「わーーーーー!!!!! す、すんませんっ! 鉄道界でもそんなに活躍されている方なんですか……?」

 「もちろん! これから向谷さんのイベントに行って、鉄道への熱い思いを聞いてこよう!」。

 ということで、早速、超鉄道に行ってきました。

「ニコニコ超会議2018」は2018年4月28~29日に幕張メッセで開催。2日間の来場者は16万1277人。さらにニコニコ生放送による“ネット来場者数”は612万1170人と大盛況のうちに幕を閉じた
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向谷実氏は1956年生まれ。幼少期からエレクトーンを習い、20歳でフュージョンバンド「カシオペア」に加入。キーボード奏者として活躍する。1995年、実写版鉄道運転シミュレーションゲーム「トレインシミュレータ」を発売。現在は業務用の鉄道運転シミュレーションシステムも手がけている
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鉄道好きが盛り上がる! 「超鉄道」現場レポート

 超鉄道が開催されるのは今年で7回目。きっかけは、ドワンゴの川上会長との雑談から生まれた「鉄道も大きなコンテンツになりうる」という一言だったそうです。2013年には鉄道各社に出展を呼びかけ、鉄道グッズを販売する「鉄道縁日」の開催など、さまざまな企画を展開しています。団体臨時列車「ニコニコ超会議号」を準備し、大阪発北陸周り上野行きで、実際の線路を専用のヘッドマークを付けて走らせたことでも大きな注目を集めました。

実際に線路を走った「ニコニコ超会議号」
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 また、今年は向谷氏が声をかけ、大学の鉄道研究会25校が加盟する「関東学生鉄道研究会連盟」がイベントに初参加しました。1958年に東京大学、慶応大学、法政大学、早稲田大学の4校で結成された由緒ある団体ですが、一時活動休止状態に。早稲田大学の鉄道研究会の呼びかけにより、2014年から活動を再スタートしています。

 同連盟に所属する現役大学生がステージに上がり、鉄道各社がステージ上で面接する「公開模擬面接」は大盛り上がり。これはテレビの「スター誕生」をイメージして生まれた企画だそう。面接官としてステージに上がったのは、静岡鉄道、大井川鐵道、JR九州、メトロコマース、阪急電鉄、阪神電車、京阪電鉄の7社で、学生たちは面接官からの質問に答えながら、志望動機や自己PRを伝えました。

結果は4人すべての学生に1社以上の採用札が。最高で3社の札が上がった学生もいました
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 また、同連盟によると、若い世代の鉄道ファンの間では「岐阜県の『姫駅』から東京の『王子駅』までの切符を買って乗車し、切符の画像に『姫から王子へ』というコメントをつけてツイッターに投稿するなど、言葉遊びを楽しむ切符収集が流行っているとのこと。そのほか、ツイッターでは臨時列車や試運転などの情報を交換するのに使っている人が多いそうです。

関東学生鉄道研究会連盟による切符の展示。デジタル社会に生きる若者がアナログな切符集めに夢中になっているのが面白いと感じました
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 向谷氏はそんな若い世代に向け、「ネットでもらった情報は自分で勝ち取った情報ではないということを伝えたい」と優しく諭します。「少しアナログな言い方かもしれないが、自分の足を使って情報を稼いでいってほしい」と、向谷氏が話す背景には、彼自身の鉄道の原体験がありました。