自分がもし死んだら、家族がもし亡くなったら、そのパソコンやスマホのデータ、ネット銀行やSNSのようなオンラインサービスのデータなど、残されたデジタルデータはどうなってしまうのか? どんな備えをしておくべきなのか? そんな「デジタル終活」について、デジタル遺品研究会ルクシー代表理事の古田雄介氏が解説していく。

 デジタル遺品研究会ルクシーへの相談は、スマホのロック解除を求める内容が大多数を占める。では、何のためにロック解除するのか。必ず理由を尋ねるわけではないが、故人との関係性が見えにくい場合はあえて聞くようにしている。また、自ら説明してくれる場合も少なくない。そうしたわけでだんだんと情報がたまってきた。

 理由の中で特に多いのは“お金”と“LINE”だ。「思い出の写真を取り出したい」という声もよく聞くが、この2つほどではない。

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LINEは本人でなければ開けない

 ある男性(九州在住、年齢未確認)からはこんな相談をいただいた。「息子が急死しました。事件性がないのは分かっていますが、離れて暮らしていたので生前の人間関係を知りたく、われわれ家族ともよくやりとりしていたLINEを開きたいと思っています。しかし、息子のスマホにロックがかかっていて開けません。どうか解決策をよろしくお願いいたします」。

 スマホのロック解除や中身を調べる方法に関しては、これまで取り上げたとおりにいくつかの選択肢があり、残された状況によって検討していくことができる。上記のケースでもその部分に関しては具体的なアドバイスがまとめられたが、LINEを開く方法については「ご協力できません」とお伝えするしかなかった。

 冷たいようだが、仕方がない。本人になりすましてのログインを推奨するわけにはいかないし、遺族としてのアクセスはLINEの規約上許されていないのだ。

※紹介する事例はプライバシーを保護するために、本筋を損ねない範囲で脚色を加えています。