自分がもし死んだら、家族がもし亡くなったら、そのパソコンやスマホのデータ、ネット銀行やSNSのようなオンラインサービスのデータなど、残されたさまざまなデジタルデータはどうなってしまうのか? どんな備えをしておくべきなのか? そんな「デジタル終活」について、デジタル遺品研究会ルクシー代表理事の古田雄介氏が解説していく。。

 関西で会社を経営しているAさん(60代、男性)は、ある日前触れなく突然死してしまった。

 社員数の少ない小さな会社で、主要な取引はAさんが一手に引き受けていたため、職場は突然エンジンが喪失したようなパニックに陥った。職場にあるAさんのパソコンの中身はすべて見られる状況だったが、直近の取引はすべて私物のスマホでやりとりしており、そのスマホにロックがかかっていたから手に負えない。社員たちは思い当たるパスワードを数回試したが解除には至らなかった――。

 この事例は、データ復旧会社のデジタルデータソリューションに持ち込まれた案件に脚色を多少加えたものだ。実際、故人のスマホのロックが開けずに残された側が困り果てるというのは、デジタル遺品トラブルの典型例だ。

 この事例は会社の経営者だが、ビジネス上の直近のやりとりが個人のスマホのなかにしか残されていないという状況は、自営業者や小規模な職場に務める人ならさほど珍しくないだろう。

 Aさんのようなケースにはどう対応したらいいのか。順を追って解説していこう。

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