オヤジは「ツライ」。会社では上と下との板挟み。若手社員の評判を気にしつつ、女性社員にはセクハラと受け取られぬよう、言動に注意を払いすぎて神経をすり減らす。家庭では妻や子供から邪魔者扱いされぬよう、存在を消すことに努力する。

 オヤジは「モロイ」。定年がリアルに迫ってくるとやたら会社内での立ち位置に右往左往したり、カラオケで昔を懐かしんではすぐ涙ぐんだり……。見た目の態度とは裏腹に、結構小さなゴタゴタで心がポキッ。揚げ句、「これからはお前たちの時代だ」と若手を叱咤するも、「何言ってるんですか。まだがんばっていただかないと」と逆に励まされ、どこかホッとしてしまう。

 でも、なんだかんだ言ってオヤジは「ツヨイ」。トラブったり落ち込んだりしても、翌日には何事もなかったように黙々と仕事をこなす。実は、若い人たちから結構頼りにされていたりもする。そんなオヤジたちの強さの源泉、それは多感な青春時代に寄り添ってくれた「歌謡曲」があるから。どんなに困難な問題が立ちはだかっても、立ち直れそうもないほど心が傷付いても、最後はみんな歌謡曲で解決してしまう。そう、「80年代歌謡曲」は悩めるオヤジの処方箋なのだ。