無線LANルーターの最大速度にだまされない

 11acは、複数のストリーム(通信)を束ね、データの合成や復号をすることで通信を高速化する「MIMO(Multi-Input Multi-Output)」という仕組みを使っていて、束ねたストリーム数によって最大速度が変わる。メーカーによってはストリーム数を「アンテナ数」と呼ぶこともある。

 基本的にストリーム数が多いほど、通信は速い。11acの場合、1ストリームあたりの通信速度は433Mbpsだが、2、3、4とストリームが増えるにつれ、およそ2倍、3倍、4倍と速くなっていく。無線LANルーターの上位機種には、データの変調方式を規格より高速になる1024QAMにすることで、1ストリームあたりの速度を約541Mbpsに上げている製品もあり、その場合、最大速度は3ストリームで1625Mbps、4ストリームで2167Mbpsとなる。

11acのストリーム数ごとの通信速度
ストリーム数 最大通信速度
1 433Mbps
2 866Mbps(一部867Mbps)
3 1300Mbps
4 1733Mbps(一部1734Mbps)
11acでは、ストリーム数が多いほど、通信速度は高くなる


 無線LANルーターの製品サイトやパッケージを見ると、最大速度が「(5GHz)1733+(2.4GHz)800Mbps」などと記載されていることが多い。これらは5GHz帯と2.4GHz帯の両方で通信できることを示す。11acは5GHz帯でしか使えないため、5GHz帯の最高速度は11acの「1733Mbps」、2.4GHz帯の最高速度は11nの「800Mbps」となっている。

 11ac以前に多く使われていたIEEE 802.11n(以下、11n)の無線LANルーターも、低価格帯の製品としてまだ売られている。ただ、1ストリームあたりの通信速度は11acが約433Mbpsに対し、11nはたった150Mbps。それでいて、価格差は1000円未満なので、あえて11nの製品を選ぶ理由はないだろう。

 なお、一部の上位製品は「5334Mbps」のように、5GHz帯の速度と2.4GHz帯の速度をすべて合算しパッケージに記載している。パッケージを見るととても速そうに見えるが、実際にその速度が出るわけではないため、惑わされないようにしよう。

バッファローの「WSR-2533DHP-CB」のパッケージ。「1733+800Mbps」のように5GHz帯(11ac)と2.4GHz帯(11n)の最高速度が記載されている
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