重視するのはスピードか、ボールコントロールか

 現在、アディダスのサッカーシューズは、「X」「PREDATOR(プレデター)」「NEMEZIZ(ネメシス)」「COPA(コパ)」の4つのタイプに分かれている。まずは、香川真司選手やルイス・スアレス選手が今大会で着用予定の「X」を見てみよう。

 「Xは、スピード、スプリントに特化したスパイクです。できるだけ速く、瞬間的にスピードを出せるよう、無駄をすべてそぎ落とし、少しでも軽くなるように仕上げました」と山口氏が言うように、Xのアッパーは至ってシンプル。それに対して「スピードやスプリントがコンセプトのシューズなので、アッパー以上にアウトソールが占める重要性が大きい」(山口氏)ため、Xのポイントは特徴的な仕上げとなっっている。

最新モデルのX 18+ FG/AG
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X 18+ FG/AG
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X 18+ FG/AGのアウトソール
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 「足の裏で地面をかんで、蹴り出してスピードを出すために、ポイントはしっかりと地面を捉える形や配置になっています。人間の足の構造上、かかとで着地して、つま先の内側にかけて蹴り出していくので、かかとは着地したとき衝撃を吸収する丸みを帯びたポイントにしています。また、蹴り出し要素が強い足先のほうにいけばいくほど、エッジの部分がささり、ぐっと踏み込んで地面をしっかりとらえるV字型になっています」(山口氏)

 では、宇佐美貴史選手やポール・ポグバ選手が着用する予定のプレデターのアウトソールにはどんな特徴があるのか。

 「プレデターは『蹴る』ことに特化したシューズなので、グリップ性が高く、摩擦を生み、ボールに強いスピンをかけやすいよう表面の素材に段差をつけることでインパクトを生み出しています」(山口氏)。さらに「コントロール性を重視して、今回初めて『ダイヤモンドスタッド』というひし形のようなポイントを採用しました」と山口氏は説明する。

PREDATOR 18+ FG/AG
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PREDATOR 18+ FG/AGのアウトソール
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 「ボールをしっかりと蹴ることが大事なスパイクなので、ポイントにはあらゆる方向に均一にバランスの取りやすいエッジを設けて、蹴る軸足の踏み込みを強くしています。極端な話、足の裏でもボールをコントロールするので『ある特定の方向ではエッジがぶつかるけれど、違う方向のときにはぶつからない』といったアンバランスが生じないよう、4つのエッジを設けているのも特徴です」(山口氏)