2018年6月、いよいよサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会が開幕する。1930年にウルグアイで第1回大会が開催されてから88年目を迎えるW杯は、いつの時代もスポーツファンの心を奮い立たせてきた。一方で、4年に1度のサッカーの祭典は、ボール、ユニフォーム、シューズの技術的進歩を促す役割も果たしてきた。そこで、48年前からW杯の公式試合球の開発を手がけてきたアディダスに、サッカーボールの進化について聞いた。

なんだ、このパーツは?
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 これって、何か分かるだろうか。最新式の風車の羽根のようでもあり、未来の忍者ロボットの手裏剣に見えなくもない。ヒントは、これと同じ形、同じ大きさのパーツを6枚、張り合わせて使う。

 そう、これらを球体になるよう張り合わせたものが、2018 FIFA ワールドカップ(W杯) ロシア大会の公式試合球「TELSTAR18(テルスター18)」なのだ。

最新の公式試合球「テルスター18」。正方形柄(ピクセル)の組み合わせで表現されたデザインは「デジタル時代」を象徴している。開発のテストプロセスにはアルゼンチン代表、コロンビア代表、メキシコ代表のナショナルチーム、マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、ユベントス、アヤックスの強豪クラブチームなどそうそうたるメンバーが協力した
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 でも、なぜこんなに複雑な形なのか。アディダス ジャパン アディダスマーケティング事業本部 Footballビジネスユニット マーチャンダイジングの西脇大樹シニアマネージャーは言う。

 「私たちは『アーバンパネルシェイプ』と呼んでいます。パネルの形状が変わったことで、ボールのバランスと飛行安定性が増しています」

 このような複雑かつ奇妙な形になったのは、1970年から現在までの50年近くW杯の公式試合球を開発し続けてきたアディダスが、サッカーボールに「ボールバランス」と「飛行安定性」を追求し続けた結果だった。

アディダス ジャパンのアディダスマーケティング事業本部 Footballビジネスユニット マーチャンダイジングの西脇大樹シニアマネージャー
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