体重が増えたからといって一喜一憂するなかれ。自分の体の「筋肉と脂肪の比率」と「脂肪の付いている場所」こそが、健康に過ごせるか、恐ろしい病魔に見舞われるリスクを高めるかの重要な指標だった。その指標を“見える化”してくれる心強いアイテム「体脂肪計・体組成計」は、いったいどこまで進化しているのか。3回にわたってその最新動向を探るシリーズ。今回はその第2回、いよいよ体重計や体組成計でおなじみ、健康機器大手のタニタへ乗り込む。

 前回、日本肥満学会常務理事で神戸大学大学院医学研究科の小川渉教授に「肥満」とは何か、またその判定法についてうかがった(「脂肪を燃やせ! その前に『肥満』を正しく判定する参照」)。肥満に対して正しく理解した上で、これから体脂肪計・体組成計の仕組みについて深く調べていく。

 さて、「体脂肪計」といえば「体重」と「体脂肪率」が分かる計測機というイメージだが、タニタの体脂肪計は「体組成計」と呼ばれ、より詳細な計測を行っている。基本となるベーシックシリーズでは「体重」「BMI」「体脂肪率」に加えて「内臓脂肪レベル」や「筋肉量」、その上のアドバンスシリーズでは「推定骨量」を計測。さらに上級のプレミアムシリーズでは「全身筋質点数」、つまり“筋肉の質の良しあし”まで表示してくれる。文字通り、自分の体の組成がただ“乗る”だけで分かるのだ。

プレミアムシリーズ「デュアルタイプ体組成計 インナースキャンデュアル RD-907」。世界で初めて筋肉の質(状態)を分析する「筋質点数」の測定機能を搭載
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両足からで全身の体脂肪率が測れる謎

 基本的に体組成計に触れているのは両足の裏だけ。片方の脚からもう片方の脚に電気を流して計測しているというのは聞いたことがあるが、どうして電気を流したら体脂肪率が分かるのだろうか。

 そもそも脚から脚へ電気を流しただけで、なぜ全身の脂肪率が分かるのだろうか。片方の電極は脚の裏でいいとしても、もう一方は、頭の先とは言わないまでも、首とか、肩のあたりに電極を触れさせて電気を流さないと、全身の体脂肪率は計れないのではないか……。

 その疑問を解消するために、体脂肪計・体組成計がいかにして開発されてきたか、そのプロセスを探っていこう。