日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2009年5月7日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

ホンダが初めて生産した上級車

ホンダが造り出した初めての上級サルーンというべきレジェンド。2.0Lと2.5L級のV6エンジンを搭載した前輪駆動車
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 歴史は振り返ってみるといろいろなことが分かってくる。ホンダというブランドはいくつかのターニング・ポイントを経験してきたが、その一つを象徴するモデルというべきが、ホンダ・レジェンドではあるまいか。

 ホンダのフラッグシップを目指して、1980年代中盤に登場した。文字通りホンダに新しいレジェンド(伝説)をつくりだそうという意欲のもとに送り出されたモデルである。1960年代にホンダ・スポーツという小型スポーツカーで四輪自動車生産に乗りだしたホンダが、「軽」自動車で一世を風靡し、シビックでエコをうたった小型車に転身してみせた。そのホンダが初めて生産する上級車。レジェンドはホンダ自身のみならず、当時の国産上級車にも少なからぬインパクトを与えたのだった。

 ハードウエアから説明していこう。その当時はシビックに代表されるような2ボックス・ボディが中心で、その派生モデルとしての3ボックスは存在したものの、初めてといっていい大きなラゲッジ・ルームを持つコンベンショナルな乗用車フォルムだった。レジェンドの登場は、むしろ普通であることが話題になるという、いかにも当時のホンダを思い起こさせたのだった。ホイールベース2760mmは、アコードのそれよりも380mmも長く、全長×全幅も4810×1735mmとそれまでのホンダ車にはない雄大さであった。