日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2009年4月16日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

クルマの名前が持つ「ブランドの力」を探る

ルノー8ゴルディーニは、ルノーの小型サルーン、ルノー8をスポーティーに仕上げたもの。ラリーなどで実力をみせた
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 今回採り上げるのはルノー8ゴルディーニだが、まずは、量産車における「ブランドの力」ということを探ってみたい。というのも、わが国産車ではあまり例が少ないのだが、例えばミニ・クーパー、フィアット・アバルトにおける、クーパーやアバルトというブランドの持つ力は、決して見逃すことのできないほどの威力を持っている。クーパーもアバルトも、そして本題のゴルディーニもそのクルマにとってマジシャンのようなブランドパワーを与えた人物の名前である。こうした人物名を冠することによって全体のイメージを大いに高める効果がある。

 そればかりか、例えばフェラーリやポルシェなどは、メーカー自体が偉大な自動車人の名前から発生したものだし、アルファ・ロメオGTA、ポルシェ・カレラにおける「GTA」や「カレラ」など人名ではないけれど、その名前を聞いただけでクルマ好きを熱くするような効果を持った名前もある。

 ではルノー8ゴルディーニを眺めてみよう。基本的にはルノーの小型車ルノー8。ルノー5CVドーフィンの後継として1962年、1.0L、40PSエンジン搭載のリア・エンジン/リア・ドライブ、小型4ドア・サルーンとして登場したものだ。1964年に1.1Lにスケールアップ、ルノーの中核モデルとして着実に生産台数を伸ばしていた。