日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2009年3月19日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

スバルの意欲が込められたモデル

スバル・アルシオーネの初期モデル、アルシオーネ4WD VRターボ。その前衛的なスタイリングが特徴のクーペ・モデル
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 いまやアルシオーネというモデル名も記憶の彼方に行ってしまっているのではないだろうか。「4WDアバンギャルド」なるキャッチフレーズとともにスバル・アルシオーネが登場したのは1980年代の半ばであった。その言葉通り、スバルの意欲が込められたモデルであったことが、いま見てもよく伝わってくる。

 ただ残念なことに、そうした意欲的なものが商業的に成功するかというと、そうとは限らない。いや、むしろ、そうした意欲的なものこそ、多くの一般からの理解が得られず、一代限りで忘れ去られてしまうことが多い。

 アルシオーネとは「スバル星座」の中の一番大きい星、つまりはスバル車のフラッグシップとなることを期待して送り出された。国内の発売は1985年6月だが、その前年のデトロイト・ショーでスバルXTクーペとして米国で発表された辺りからも、その期待と目指すポジションが伺える。

 競争力強化のために上級モデル追加、またモデルチェンジをしてアルシオーネSVXに進化したりしたが、それを含めても、10年ほどの寿命を得るに過ぎなかった。