「ミニZ」として身近な憧れに

当時の人気モデル、日産フェアレディZを思わせるようなスタイリングとネーミングは、ちょっとしたパロディ感を与えたりした
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 1970年10月に発売された最初のホンダZは、ホンダNがベースであった。したがって、エンジンは空冷2気筒SOHC354ccを横置き搭載したFWD。これもなかなかいいアイデアだったと思うのだが、単にデラックスとかスポーツなどというグレード名が多かった中に、ホンダZは「アクト」「プロ」「TS」「GT」「GS」という5グレードをラインナップ。

 前二者は31PS、後三者はツイン・キャブで36PSを発揮した。もちろんターボ・チャージャなどは装着しておらず、NAでリッター当たり100PSを得ていたのだから、すごい時代である。「GS」は5段のギアボックス、前輪ディスク・ブレーキなどを備えた最高峰バージョンで、若者にはフェアレディZ以上に身近な憧れになったのだった。

この後期モデルはエンジン、シャシーなどホンダ・ライフと共用。エンジンも水冷+ツイン・キャブになっている。もちろんFWD
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 全長3000mm以内という当時の「軽」のリミット内に収められたボディ・スタイリングは、いかにも本格的GTを目指しましたよ、というようないじましさが感じられた。

 ルーフが後端まで伸ばされ、本来ならスーッとファストバックのリアにつながるところを、長さが不足しているのを逆手にとって、ブラックのフレーム付リアゲートにした。このデザインは、「ミニZ」という印象を与えた。いじましさはあるけれど、昨今の「軽」にありがちな子供っぽさのないところがいい。