日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2008年8月7日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

身近な憧れの存在だった「CR-X」

ホンダCR-Xは適度なサイズ、適度なパワーなどで身近に楽しむことのできるスポーティ・クーペの理想像を示してくれていた
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 昨今のモーター・ショーでその再来か、などと噂されるプロトタイプが話題になったりしたが、ホンダのCR-Xというモデルは、印象深いモデルのひとつとして記憶に残っている。とりたてて超高性能というわけではないのだが、サイズ、性能、価格などがもっとも好もしいところでマッチしている。それでスタイリッシュ、とくれば身近な憧れの存在として人気を持っていたことが頷ける。

 そもそも「CR-X」なるモデルが登場したのは1983年。その時はホンダ・バラード・スポーツというサブネームが付けられていた。シビックの姉妹モデルであったバラードの一員として、むしろバラードのネームバリューを高めるような意味合いも込めて送り出されたものだった。それが望外の人気だったこともあってか、4年後の1987年に、こんどは独立したホンダCR-Xとして新型シビックとともに登場した。

 それはエンジンをはじめとして全体がリファインされた、より鮮明なコンセプトの持ち主になった。初代では1.5iという上位モデルでも4気筒SOHC12バルブの1488cc、110PSというものであったが、チェンジ後は4気筒DOHC16バルブ、1590cc、130PS搭載のホンダCR-X Siが主力になった。1.5i時代は、ライバルのトヨタはDOHC、日産はターボ・チャージャ装着で宣伝合戦を繰り広げるなかで、待望のDOHC16バルブといったところであった。