日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2008年6月12日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

ダイハツが「軽」に進出した最初のモデル

1966年に発売されたダイハツの「軽」乗用車、フェロー。小型車をそのままダウンサイジングしたかのようなスペックが特徴だった
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 燃費その他の問題からか、ふたたび小型車に注目が集まるなか、それとは裏腹にスバルが「軽」から撤退するというニュースが流れてきた。少し流れが変わりつつあることを感じる昨今だが、表題のダイハツ・フェローはいまから40年前、まだわが国の「軽」が独自の境地を拓きつつあった時代に登場したモデルのひとつだ。ダイハツは800cc級の小型車、コンパーノで乗用車市場に参入してきたのち、フェローで「軽」にも進出を果たしたのである。1960年代中盤のことだ。

 このダイハツ・フェローは1966年に発売された。ひと口で述べるならば、フェローは小型車をそのままスケールダウンしたようなものである。当時、たとえばスバル360などが「軽」ならではのメカニズムを積極導入したのと対照的であった。

 スペックを順にみていくと、まずエンジンは2ストロークの水冷直列2気筒356cc。 先に発売していた「軽」トラック、ハイゼットの空冷エンジンを、乗用車用ということで水冷化したもの。暖房ヒーターの効果やエンジン音などで水冷は必須であったのだろうか。2ストローク故の潤滑油は、「分離給油」方式が採用され、そのオイルタンクがエンジン・ルーム内に存在感を以って鎮座している。